商品数が多いShopifyストアのP-max設計|大量SKUモデルで「育つ入口」に予算を集める5つのステップ
グロースノウハウ

商品数が多いShopifyストアのP-max設計|大量SKUモデルで「育つ入口」に予算を集める5つのステップ

「P-maxに全商品を入れているのに、売れるのはいつもの数商品だけ。管理画面のROASは悪くないのに、新規のお客様が増えている実感がない」。商品数の多いストアで広告を担当していると、こんなもやもやを抱えることがあります。

Google広告のP-max(パフォーマンス最大化キャンペーン)は、入札も配信面も自動で決めてくれる便利な仕組みです。ただ、自動だからこそ、どの商品を入口にして、何を成功として学習させるかを人が決めないと、予算は「最初に買われやすい商品」に流れていきます。本記事では、StoreHeroが支援先のGoogle広告と購買データを分析してきた経験をもとに、商品数が多いストアのP-maxの設計と運用の方法を解説します。

P-maxで差がつかないのは、設定だけを見ているから

P-maxの改善というと、入札戦略やアセット、予算といった設定の話から入りがちです。ただ、設定のノウハウは公開されているものが多く、競合も同じことをしています。設定だけで大きな差はつきません。

P-maxは全自動ではありません。人の仕事は、機械学習に渡す入力データの質を上げることと、学習が変な方向に進まないようにガードレールを敷くことです。商品数が多いストアでは、この入力の差が特に大きく出ます。

StoreHeroの支援先でも、広告費の偏りはどのストアでも起きています。商品数の多い4社のショッピング広告(P-maxを含む)を調べると、広告で表示された商品のうち、費用上位5%の商品が、広告費の約74〜84%を使っていました。

ストア 広告で表示された商品のうち、費用上位5%の商品が使った広告費の割合
消耗品ストア 約84%
アパレルブランド 約74%
食器・キッチンのストア 約79%
セレクト型ファッションストア 約76%

偏り自体は悪いことではありません。問題は、偏った先が本当に自社を伸ばしてくれる商品なのかを、確かめないまま機械学習に任せてしまうことです。それを判断するには、施策の手前で2つのことを決めておく必要があります。「自社はどんな型で成長するビジネスなのか」と「お客様にどんな理由で買ってもらうのか」です。

大量SKUモデルとは:商品数そのものが成長資産になるビジネスの型

StoreHeroでは、EC事業の成長の型を15種類の「グロースモデル」として整理しています。そのうち、商品数の多いストアが当てはまりやすいのが大量SKUモデルです。

大量SKUモデルは、豊富な商品数で様々なニーズに対応するモデルです。お客様が多くの商品を比較検討し、自分にとって最良のものを選べることが強みになります。次のような特徴に当てはまるストアは、このモデルの考え方が参考になります。

  • 取り扱いSKU数が1,000個以上ある(商材によってはもっと少なくても当てはまります)
  • 幅広いニーズに応えるため、ラインナップの拡充を重視している
  • 商品を増やしても在庫リスクが小さい
  • 商品の検索・絞り込み・比較の機能が重要だと感じている
  • ニーズに合った商品を提案するために、商品データの管理が重要だと感じている

Barnes & NobleはShopifyを使う超大型サイトですが,1000万を超えるSKUがあると言われています。Shopifyの強力なインフラは大量SKUとも相性が良いと言えます。

Barnes & Nobleは1000万を超えるSKUを販売

このモデルで積み上がる資産

大量SKUモデルでは、事業を続けるほど「大抵の商品がここで買える」という評判、商品キュレーションコンテンツ、商品の網羅性による検索評価が積み上がります。

広告の観点で見逃せないのが、これらを支える抜け漏れのない商品データフィードです。P-maxは商品フィードの情報をもとに広告を作るため、商品タイトルやカテゴリが整っているほど、多様な検索に自社の商品が表示されます。チャネルごとの商品データの整え方は「大量SKUを「負債」から「資産」に変えるShopify版チャネル別商品データ最適化の3ステップ」で詳しく解説しています。

北極星指標は、広告だけでなくストア全体で見る

大量SKUモデルの北極星指標(事業の健全性を示す最重要の指標)は、販売SKUカバー率です。一定期間に1点以上売れたSKUの割合のことで、品揃えの拡大が実際の売上につながっているかを示します。

ここで大事なのは、カバー率をストア全体で見ることです。新規獲得の広告だけで、幅広い商品を売る必要はありません。後で詳しく触れますが、広告では入口の商品を絞り、初回購入後のメールやLINEで品揃えを案内してカバー率を広げるやり方もあります。広告とCRMのどちらで品揃えを見せるかは、次に決める売り方によって変わります。

売り方で、P-maxの役割が変わる

グロースモデルが決まったら、次は販売方法、つまり「お客様にどんな理由で買ってもらうか」を決めます。StoreHeroでは販売方法も15種類に整理しており、大量SKUモデルと最も相性が良いのが品揃え・セレクト提案型販売です。「探せば見つかる」「比較して最良を選べる」「ここに来れば揃う」ことそのものを購入理由にする売り方です。

たとえば、1つの商品を定期購入で買い続けてもらうストア(単品リピート通販モデル×定期購入)なら、P-maxの役割は明快です。入口の商品は基本的に1つで、その商品の魅力を伝える広告とLPを作り込み、定期の継続率から許容できる獲得単価を決めます。

一方、品揃え・セレクト提案型で売る大量SKUモデルでは、数百から数万の商品のうち、どの商品を広告で見せるかを決めるところから始まります。そしてその答えは、ストアによって2つの型に分かれます。

品揃えで獲得する型 入口を絞る型
向いているストア 初回に買う商品によるLTVの差が小さい。検索される商品がばらばら LTVが高くなる初回購入商品がはっきりある
P-maxの役割 幅広い商品を露出させ、多様な検索を拾う LTVの高い入口商品に予算を集める
品揃えを見せる場所 広告とサイト 主に初回購入後のCRM
販売SKUカバー率が広がるタイミング 広告の段階から 2回目以降の購入で

どちらの型かは、初回に買った商品ごとのLTV(顧客生涯価値。ここでは初回から1年間の購入額)の差で決まります。StoreHeroが支援の現場でよく出会うのは、入口の商品によってその後の購入額が大きく違うケースです。試しに4社の購買データで調べても、差の大きさはストアによってはっきり分かれました。

ストア 新規のお客様のうち、上位10商品から入った人の割合 入口商品別のLTVの差(上位2割の商品÷下位2割の商品)
消耗品ストア 約3割 約3倍
アパレルブランド 約1割強 約2倍
食器・キッチンのストア 約2.5割 約1.8倍
セレクト型ファッションストア 約1.6% 商品がほぼ1点ずつ入れ替わるため比較できない

※LTVは初回から365日間の購入額で、集計条件は各社で一部異なるため、数値は傾向をつかむための目安です。

消耗品ストアは、入口を絞る型の典型です。交換サイクルの長いシリーズから入ったお客様は、初回後の購入額が平均の約1.6倍、1年以内のリピート率は約46%でした。交換サイクルの短いシリーズから入ったお客様のリピート率は約29%です。ただし、交換サイクルの長いシリーズから入るお客様は、新規全体の約6%しかいません。

反対に、商品のほとんどが1点ずつ入れ替わるセレクト型ファッションストアは、品揃えで獲得する型です。幅広い商品を広告に乗せ、多様な検索で見つけてもらうこと自体が勝ち筋になります。

大量SKUモデルのP-maxを設計する5つのステップ

ステップ1:初回購入商品ごとのLTVを調べ、型を決める

最初に、初回に買われた商品ごとに、その後の購入額とリピート率を比べます。あわせて、Google広告の商品別レポートで、商品ごとのROAS(広告費用対効果)を確認します。この2つを掛け合わせると、商品は4つに分かれます。

LTVが高い LTVが低い
初回のROASが高い 本命の入口。予算を集める 単発の刈り取り。広告費は初回購入の粗利の範囲に収める
初回のROASが低い 育てる入口。学習の設定で価値を引き上げる(ステップ4) 費用だけ使う商品。外すか小さな予算に隔離する

ROASだけを見ていると、「本命の入口」と「単発の刈り取り」は区別できません。どちらも管理画面では優秀に見えるからです。

LTVの高い入口がはっきりしていれば、入口を絞る型です。入口によるLTVの差が小さければ、品揃えで獲得する型を選びます。

自社の入口商品とLTVの関係をデータで確かめたい場合は、StoreHeroのShopify無料ストア診断でも分析しています。

Shopifyでの進め方

  • Sidekickに聞く:Shopify管理画面のAIアシスタント「Sidekick」に、「過去12か月の初回注文で買われた商品ごとに、その後1年間の購入額の平均を出して」のように質問します。

ステップ2:決めた役割をカスタムラベルでフィードに書き込む

型と商品の役割が決まったら、それを商品フィードのカスタムラベルでGoogleに伝えます。カスタムラベルは商品を自由な基準で分類するための項目で、5つまで設定できます。標準の項目には「新規向けの入口商品」のような分類がないため、自社の判断をここに書き込みます。

入口を絞る型なら、ステップ1の4分類(本命の入口、育てる入口、単発の刈り取り、その他)をラベルにします。品揃えで獲得する型なら、カテゴリや価格帯に加えて、新作・定番・処分品といった商品のライフサイクルや、粗利の高低をラベルにします。

あわせて、商品タイトルにお客様が実際に検索する言葉(用途、サイズ、素材など)を入れます。タイトルに入っていない言葉では、品揃えがあっても広告に出にくくなります。

フィードの品質そのものの点検も欠かせません。Shopify無料ストア診断をしていても,フィードに登録された商品(色・サイズ単位)の多くが在庫切れで配信の対象外になり、サイズや色が指定されていないという警告が出ているアカウントをよく見かけます。

Shopifyでの進め方

  • 基本はGoogle & YouTubeアプリ:Shopify公式のGoogle & YouTubeアプリで、商品データをGoogle Merchant Centerに同期します。
  • ラベルを細かく作るならMultifeed:カスタムラベルを付けたり、媒体ごとに商品データを変換したりしたい場合は、Multifeed Google Shopping Feedのようなフィード管理アプリを使います。
  • 日々変わる条件でラベルを付ける:「直近7日間の売上」「在庫の残り日数」のように毎日変わる条件でラベルを付けるには、Shopifyのデータからフィードを自動で作る仕組みが必要です。StoreHeroでは、自社開発のグロースプラットフォームで、売上や在庫状況にもとづいてカスタムラベルを最適化しています。アパレルブランドの支援では、「新規獲得向け」「直近7日間の人気商品」といったラベルでアセットグループを分けて運用しています。

StoreHeroでは売上や在庫状況に基づいてカスタムラベルを最適化している

ステップ3:型に合わせてキャンペーンを組む

ラベルができたら、それを使ってキャンペーンとアセットグループを組みます。組み方は型によって変わります。

入口を絞る型では、本命の入口と育てる入口の商品に、画像・動画・テキストをそろえた専用のアセットグループを用意し、予算を集めます。単発の刈り取り商品は、予算の小さいキャンペーンに分けるか、粗利の範囲で回収できる目標ROASを設定します。それ以外の商品は、無理に広告で露出させる必要はありません。初回購入後のCRMで案内する役割です。

食器・キッチンのストアでは、成果を見ながらアセットグループの一時停止やリスティング グループでの除外を重ね、広告の配信対象をフィードの商品の約1割に絞っています。その中でも、成果の高い3商品が広告費の約1割でコンバージョン値の約3割を生んでいました。

CRMでの品揃えの案内の仕方は「商品数が多いストアのCRM設計──大量SKUモデルで「眠っている商品」をリピートにつなげる5つのステップ」で解説しています。

品揃えで獲得する型では、カテゴリやライフサイクルのラベルでアセットグループを分け、幅広い商品が表示されるようにします。注意したいのは、何もしないと一部の商品に費用が集中し、ほとんどの商品が表示されないまま眠ることです。

セレクト型ファッションストアでは、広告で表示された商品のうち、約8割がクリック0で、コンバージョンが出た商品は約0.5%でした。ほとんど表示されない商品は、商品タイトルを見直したうえで、小さな予算の別キャンペーンに分けて露出の機会を作ります。

どちらの型でも、分けすぎには注意が必要です。キャンペーンを細かく分けると、1つあたりのコンバージョンが減り、機械学習が学習しきれなくなります。調査レポートでは、1キャンペーンあたり30日で30件程度のコンバージョンが目安とされています。

Google広告での進め方

  • 商品の振り分け:P-maxのアセットグループの「リスティング グループ」で、カスタムラベルを条件にして対象の商品を絞り込みます。
  • 指名検索は分けて守る:StoreHeroでは,ストア名での検索は、検索キャンペーンの完全一致で受け、P-maxには「ブランドの除外」を設定することが多いです。ブランドの除外は、P-maxの検索広告枠、ショッピング広告枠、YouTube検索広告枠に適用されます。
  • リンク先の自動選択:「最終ページURLの拡張」をオンにすると、検索語句に合う商品ページを自動で選んでくれます。会社概要や特定商取引法の表記など、購入につながらないページは除外ルールに登録します。

ステップ4:LTVの高い入口を、成功として学習させる

P-maxは、成功(コンバージョン)として教えたものを増やそうとします。初回購入の売上だけを成功にしていると、機械学習は「最初に買われやすく、単価の高い商品」に寄っていきます。

まず設定したいのが、新規顧客の獲得の目標です。顧客リストやウェブサイトのタグで既存のお客様を判別し、新規のお客様の価値を高く評価して入札する「新規顧客の価値」と、新規のお客様だけに入札する「新規顧客のみ」の2つのモードがあります。

新規に絞ると、管理画面のROASは下がります。アパレルブランドでは、新規顧客に絞ったP-maxのROASは通常のP-maxのおよそ半分でした。既存のお客様の購入が含まれないので、当然の結果です。新規獲得用のキャンペーンは、ROASではなく、新規顧客の獲得単価と、獲得したお客様のLTVで評価します。

あわせて、コンバージョン値のルールでLTVの高いお客様の条件に当てはまるコンバージョンの価値を引き上げ、オーディエンスシグナルにLTVの高いお客様のリストを入れて、機械学習が似たお客様を探す手がかりにします。

入札を目標ROASに切り替えるのは、コンバージョンが十分にたまり、週ごとのROASが安定してからです。調査レポートでは、週ごとのROASの振れ幅が平均の±25%以内に収まることが目安とされています。食器・キッチンのストアでは、ある月の週ごとのROASが約4.3〜約11.1と大きく振れていました。このような状態で目標を上げ下げすると、学習がさらに不安定になります。予算や目標の変更は1回10〜15%以内にとどめ、変更後は5〜7日待つのが調査レポートでの目安です。

Shopify・Google広告での進め方

  • 新規顧客の獲得を設定する:P-maxのキャンペーン設定の「顧客の獲得」で、「新規顧客の価値」を選びます。
  • 高LTV顧客のリストを作る:Shopifyの顧客セグメントで、本命の入口から入ったお客様や購入額の大きいお客様を絞り込み、書き出したリストをGoogle広告のカスタマーマッチに登録して、オーディエンスシグナルに使います。
  • 価値の差をつける:コンバージョン値のルールで、LTVの高いお客様の条件(地域、オーディエンスなど)に当てはまるコンバージョンの価値を引き上げます。

ステップ5:配信面・アセット・商品の3つで点検し、LTVで評価する

運用が始まったら、定期的に3つの分析で点検します。

1つ目は、配信面です。 P-maxは、検索、ショッピング、Discover、YouTube、ディスプレイ、Gmailなどに自動で配信します。P-maxのチャネル別のレポート(チャネルのパフォーマンス)で、どの面にどれだけ費用が使われているかを確認できます。食器・キッチンのストアとアパレルブランドの2社で見ると、使われ方はまったく違いました。

ストア 費用が多い配信面 商品データを使う広告の費用比率
食器・キッチンのストア Google検索(ショッピング広告を含む)が約8割 約6割
アパレルブランド Discover・ディスプレイ・YouTubeで約3分の2 約6割

品揃えで獲得する型なら、商品フィードを使った広告(ショッピング広告など)が中心になるのが自然な姿です。調査レポートでは、ECの場合、費用の6〜8割がショッピング面に使われている状態が標準とされています。この比率が低く、ディスプレイや動画で費用が膨らんでいる場合は、商品タイトルやカテゴリの不備で、フィードのシグナルが足りていない可能性があります。

一方、入口を絞る型では、入口の商品を動画やDiscoverで見せ、まだ検索していないお客様に知ってもらう使い方もあります。この場合、動画の面の比率が高くても失敗とは限りません。管理画面のROASではなく、新規のお客様の比率と、入口商品のLTVで評価します。動画の面を止めるかどうか迷ったら、後述の実験機能で確かめます。

2つ目は、アセットです。 アセットグループごとの「広告の有効性」と、アセットごとの評価(最良・良好・低)を確認します。見出し15本、長い見出し5本、説明文5本、画像は横長・正方形・縦長の3種類、動画は横・縦・正方形の3種類をそろえるのが基本です。

アセットの評価は、品揃えの訴求(「ここに来れば揃う」「サイズ・色が豊富」)と、入口商品の価値の訴求(素材、機能、実績など)のどちらが刺さるかを確かめる道具にもなります。刺さった言葉は、LPの第一画面やCRMのメールの件名にも使い回せます。

評価は表示回数が5,000回以上たまってから判断し、差し替えは1回1〜2本までにします。アセット単位のコンバージョンは一緒に表示された全アセットに重複して計上されるため、同じ種類のアセット同士の比較にだけ使います。

3つ目は、商品です。 ステップ1の4分類を、四半期に1回程度見直します。費用だけ使っている商品が増えていないか、本命の入口に予算が届いているかを、商品別レポートで確認します。アパレルブランドのP-maxでは、広告で表示された商品のうちコンバージョンが出たのは約1割で、広告費の約4割は、クリックはあるもののコンバージョンが出ていない商品に使われていました。

最終的な評価は、管理画面のROASではなく、広告で獲得したお客様の入口商品別のLTVと、ストア全体の販売SKUカバー率で行います。入口を絞る型なら、2回目以降にどれだけ幅広い商品が買われているかで、CRMとの連携がうまくいっているかがわかります。

Google広告での進め方

  • 配信面を確認する:P-maxのチャネルのパフォーマンスのレポートで、配信面ごとの費用とコンバージョン値を確認します。商品データを使う広告とそれ以外の内訳も見られます。
  • アセットを確認する:アセットグループのレポートで広告の有効性を、アセットのレポートで評価のラベルを確認します。
  • 変更は実験機能で確かめる:管理画面の「テスト」で「アセットのテスト」を作ると、1つのP-maxの中でトラフィックを分け、動画の有無や、フィードだけのP-maxにアセットを追加した効果を比べられます。テスト中はアセットや設定を変えず、終了後に「適用」か「終了」を選びます。

アセットやキャンペーンタイプのテストができる

現場でよくある落とし穴

管理画面のROASで入口を選び、育たない商品に予算が寄る

アパレルブランドでは、ショッピング広告費の約2割を使っていた最大の商品が、季節イベント・キャンペーンに合わせて買われる商品でした。この商品から入ったお客様の初回後の購入額は、平均の約4分の1にとどまり、1年以内のリピート率は約14%(ストア全体では約36%)でした。一方で、入口としてのLTVが平均を上回る商品(その商品から入ったお客様が20人以上いる商品)には、広告費の1%未満しか使われていませんでした。

初回のROASだけで商品を評価していると、単発の刈り取り商品に予算が集まり、新規のお客様が育たないまま広告費だけが増えていきます。ステップ1の4分類で、広告費の行き先を定期的に確かめましょう。

指名検索の流れ込みで、ROASが高く見える

P-maxは、ストア名での検索にも広告を出します。もともと買うつもりの人が多いためROASが高く出て、P-maxの成果を実際より良く見せてしまいます。

ストア P-maxの検索面の費用のうち、指名検索の割合 指名検索がコンバージョン値に占める割合 ROAS(指名検索) ROAS(指名以外)
食器・キッチンのストア 約5% 約45% 約78 約5.2
アパレルブランド 約22% 約47% 約9.2 約2.8

P-maxの検索語句レポートで集計できます。

食器・キッチンのストアでは、費用の約5%しか使っていない指名検索が、コンバージョン値の約45%を生んでいました。アパレルブランドは、指名検索用の検索キャンペーンを別に持っていながら、P-maxでも検索面の費用の約22%が指名検索に使われていました。指名検索を除くと、P-maxの実力は管理画面の数字より大幅に低くなります。ステップ3のとおり、指名検索は検索キャンペーンで受け、P-maxにはブランドの除外を設定したうえで、指名以外の成果で評価しましょう。

まとめ:グロースモデル・販売方法・施策の順で考えると、P-maxは迷わなくなる

商品数が多いストアのP-maxでは、広告費が一部の商品に偏ること自体は避けられません。大切なのは、偏った先が「LTVの育つ入口」になっているかを確かめ、機械学習に正しい入力を渡すことです。そのための設計は、次の3つの順番で考えると迷いません。

  1. グロースモデル:自社はどんな型で成長するのか(例:大量SKUモデル)
  2. 販売方法:どんな理由で買ってもらうのか(例:品揃え・セレクト提案型販売。入口を絞るか、品揃えで獲得するか)
  3. ファネル別施策:その売り方を最も効率よく届ける施策は何か(例:入口の役割をフィードに書き込んだP-max)

最初の一歩は、自社の購買データで「どの商品から入ったお客様が育っているか」を確かめることです。ただ、入口商品別のLTVと広告の商品別データを突き合わせるには、手間も分析のノウハウも必要です。

StoreHeroのShopify無料ストア診断では、Shopifyなどのデータを連携し、顧客・商品・在庫・チャネルの観点から成長課題を洗い出します。そのうえで、自社に合うグロースモデルと販売方法、CRM・広告・サイトの施策を、優先順位を付けてご提案します。P-maxについても、指名検索の流れ込み、配信面、アセット、商品ごとの費用の行き先まで診断しています。診断結果は1〜2週間でご報告し、費用はかかりません。

自社のP-maxが、育つ入口に予算を使えているか。データで確かめてみませんか。まずはお気軽に無料診断をお申し込みください。