ヒーローインタビュー:ウェスキー株式会社様「海外の“あったらいいな”を日本へ──ベビーグッズブランドb.boxを軸に複数ブランドをコミュニティで成長させるEC戦略」

StoreHeroでは2020年より、b.boxはじめ、ウェスキー株式会社が販売に関わる複数ブランドのグロースを支援しています。海外で見つけた“あったらいいな”を日本に届け、コミュニティを築きながらブランドを成長させているウェスキー株式会社取締役クリエイティブディレクターの住田由香さん。コロナ禍でEC強化に踏み切った理由やShopify導入での苦労とメリット、インスタライブ×アンバサダー施策によるコミュニティ形成の秘訣、さらにb.boxをはじめ複数ブランドの取り組みや今後の展望までを、グロース支援を担当する黒瀬がお話をうかがいました。

海外の“あったらいいな”を日本のママへ──『ママが笑顔なら家族も笑顔』を形にするb.box日本展開の原動力

黒瀬:b.boxというブランドを、日本で展開し始めた経緯を教えてください。

住田:知り合いのディストリビューターの方がb.boxを紹介してくださいました。今b.boxで一番売れている赤ちゃん用ストローマグ「Sippy Cup」ですが、当時日本では販売していなかったんです。実際に商品を見た瞬間に「これは絶対に日本でも受け入れられる」と確信し、さまざまな競合がいる中でも挑戦を決意しました。試行錯誤しながらも、販売をスタートさせたんです。

黒瀬:EC事業に力を入れるようになった背景には何があったのでしょう?

住田:コロナ禍によって実店舗が閉鎖された影響が大きいですね。もともとは卸とECを両立しようとしていたのですが、状況的にECへの注力が急務となりました。少人数チームで始めたものの、マーケティング担当やデザイナーと協力しながら、インスタライブなどを活用してユーザーとの直接的なコミュニケーションを強化していきました。

黒瀬:住田さんの役割を教えてください。

住田:私は、b.boxとエンドユーザーをつなぐ架け橋のような役割を担っています。『こんな便利なものが日本にもあったらいいのに』と思うアイテムを海外から探してきて、実際に日本で展開しているんです。ブランドの担当者であると同時に、“ママ代表”の視点を大切にしています。

子育て中は外出しづらかったり、コミュニティに入りづらかったりして、どうしても孤独になりがちですよね。そこで『オンライン上でつながれたらもっと楽しいのでは?』と考え、インスタライブを始めたんです。まずはコミュニティを作りたいという想いがきっかけでした。

私たちの会社には『ハッピーを届けよう』という理念があります。“もの”を通して快適さや楽しさを提供し、人を笑顔にすることを目指しているんです。ママはつい我慢や節約を優先してしまうことが多いですが、便利なものを上手に使えばママ自身が笑顔になり、その結果として家族全員も笑顔になれる。ママのためが家族のためにもなるんですよね。子どもにとっても、食事や身の回りのことがしやすくなれば自然と自立に繋がっていきます。

たとえば音楽なら歌や演劇など様々な方法で喜びを伝えられますよね。同じように、私たちは“もの”を通してハッピーを届けようとしているんです。だからこそ社員にも『私たちの扱うアイテムは、人をハッピーにするもの。自信を持って販売してほしい』と伝えています。

黒瀬:b.boxのお客様はママさんたちですが、ママさんたちがお買い物をするとき、どのような悩みや迷いを感じられているのでしょうか?

住田:たとえば1,000円と2,000円のアイテムがあった場合、後者のほうが漏れにくいとか快適といったメリットがあっても、「ママなんだから節約しなきゃ」とか「ママなんだから大変で当然」という考えで、便利な方を選ぶのをためらう方が多いと感じるんです。そうすると、安いけど不便なものを使い続けて、毎日大変な思いをすることに。

「ママが楽するなんて申し訳ない」「苦労して当然」という、価値観を持っている方が日本は多いように感じます。でも実は、ママが笑顔でいられることが家族みんなの幸せにつながるんですよね。便利なものを使って「私が楽になるなんて良いのかな?」とためらう必要はありません。それどころか、ママがハッピーになることで、家族全員が笑顔になるはずです。

黒瀬:由香さん自身の想いが強いので、ママさんたちを共感させられるんだなと感じました。

インスタライブ×アンバサダー施策でママを熱狂させるコミュニティ形成に成功

黒瀬:EC化の初期段階では、どんな課題がありましたか?

住田:EC化の初期段階では、Shopifyが英語ベースのシステムだったことから、スタッフが英語に戸惑ったりサポートへの問い合わせが時差で遅れるなどの問題がありました。しかしグローバル展開されている強みで、新機能やアプリの開発が早く、将来的な拡張性が高い点に魅力があり、結果として導入コストや機能面でも大きなメリットを得られました。最初こそ言葉の壁に苦労したものの、慣れるにつれ問題は解消され、「導入して良かった」という評価につながりました。

黒瀬:グロースの取り組みで、良かった施策はありますか?

住田:コロナ禍の頃から始めたインスタライブとアンバサダー施策が、特に大きな成果を上げています。アンバサダーを募り、一緒にファンとして発信してくれる仲間を増やそうという取り組みを続けた結果、現在は7期目を迎えました。さらに、卒業後もウェスキーラブというコミュニティにご参加頂き、新商品の導入の相談などをさせて頂き、長く繋がってもらっているのが特徴です。

実際、「子育てをもっと楽に、快適にしよう」という思いに共感する方々が、毎回600人ほどインスタライブに参加してくださっています。皆さんの熱い気持ちと積極的な参加によって、コミュニティ全体に活気が生まれ、盛り上がりを維持するためにさまざまな企画をこまめに実施しています。

私たちは「アンバサダーさんも卸先も、みんな仲間」と考えていて、新しい企画を思いついたらすぐに声を掛け、一緒に動ける体制を整えています。結果的に、口コミやUGC(ユーザー生成コンテンツ)も自然に生まれ、コミュニティのさらなる盛り上がりへとつながっているのだと思います。

黒瀬:StoreHeroの印象はどうでしたか?

住田:普通のコンサル会社さんとは違う印象ですね。言うだけで終わらず、『ここは僕がやりますね』と自ら動いてくれるんです。その姿勢が、本当に“仲間”として一緒に取り組んでくれているようで、とても好感が持てます。言いっぱなしではなく、『僕はこう動くので、皆さんもこうしてみてはどうですか?』と具体的に提案し、結果まで共有してくれるので、チームとして信頼関係を築けるのが良いですね。どうしても言いっぱなしのコンサルの方が多いので、StoreHeroは珍しい存在だと思います。

黒瀬:僕自身、コンサルという肩書きがあまり好きではないんです。アドバイスだけをする立場だと、どうしても無責任になりがちですよね。だからこそ、自分でもできる範囲はきちんと動きたいんです。その方が成果にもつながりやすいし、お互いに気持ちが良いと思っています。

黒瀬:b.box以外にも複数のブランドを展開していますが、ブランド間の相乗効果は生まれていますか?

住田:はい、Weskiiiではb.box以外にも複数ブランド取り扱っていますが、b.boxの施策として教えてもらったことを別のブランドにも横展開してうまくいっています。

Shopifyストアから『フレンドショップ』まで、多チャネル×CRM×広告運用で加速するブランド展開の秘密

黒瀬:Shopifyによる自社ECサイトを中心に、卸やAmazon、楽天など複数の販売チャネルを展開されていますが、チャネルごとにどのような役割の違いがありますか?

住田:そうですね。私たちはShopifyでの自社EC、Amazon、楽天以外に、実店舗向けに商品を卸しています。自社ECでどれくらい売れているのか、どのカラーが人気かなどのデータを卸先に共有し、チームでブランド作りをしています。自社ECでの販売動向が、卸事業や実店舗へも良い影響を与えていると思いますね。

黒瀬:楽天ではどんな取り組みをされているのでしょうか?

住田:最近、私たちは楽天の自社直販サイトをクローズしました。その代わりに『フレンドショップ』という形で、卸先の楽天店舗を徹底的に支援しています。たとえば、一緒にレビューを集める施策を考えたり、こちらで作り込んだ商品ページやクリエイティブを卸先に提供したりしています。『自社で作ったページやバナーを使ってもらえれば、お客様にもわかりやすいし、ブランドとしても統一感が出る』という効果も狙っています。

黒瀬:『フレンドショップ』構想はとても面白いですね。

住田:ありがとうございます。より多くの方に商品の魅力を知ってもらえるよう、デザイナーや制作担当が協力しながら、積極的に取り組んでいます。

黒瀬:メールマガジンやLINEなどのCRM施策も積極的に取り組まれていますよね。実施による変化はありましたか?

住田:最初はメルマガを打っても、どのくらい効果があるのかわからず、「本当にやる必要あるの?」という感じでした。でも一度試しに打ってみたら少しずつ売上に繋がり、「あ、売れるんだ」となりました。そこから徐々に取り組むようになって、今では自社コンテンツとしてブログを増やしたり、商品以外の価値も届けたりするようになりました。

特にLINE公式アカウントは反応が良いですね。ブロックされずに購読してもらえる状態を作れているので、情報が届きやすい。それだけお客様との距離感が近くなってきたんだと思います。

黒瀬:「セール情報を押し付けるだけ」ではなく、コミュニケーションとしてLINEを活用しているのが大きいですよね。そこにプラスして、ブログなどで商品以外の情報も発信しているから、お客様のファン化が進んでいるのかなと思います。

黒瀬:広告運用も全ブランドで取り組まれていますが、最初に広告を始める際、不安や抵抗はありましたか?

住田:最初は「広告でどれぐらい売れるのか」と疑問がありました。でも、広告の必要性や仕組みをしっかり説明していただいて、徐々に納得していった感じです。SNSで盛り上がっている情報やアンバサダーさんの写真などを使うことで反応も良くなるし、今は全ブランドで取り組むべきだと思えるようになりました。

黒瀬:現在、複数のブランドを運営されていますが、Shopifyで統一するメリットは何でしょうか?

住田:Shopifyアプリを使えば、ブランドごとに同じ仕組みを横展開できますし、メンテナンスや新機能の追加も効率的です。テーマも公式のものを使うことでアプリとの相性が良く、やりたいことが出てきたら「このアプリがありますよ」とすぐに提案を受けられる。アイデア次第でピンポイントにカスタマイズできるところが本当に便利です。何かやりたいことが浮かんだら、すぐに相談して形にできるのが魅力ですね。

今後の展望

黒瀬:最後に、今後の展望をお聞かせください。

住田:これまではベビー・キッズ向けブランドというイメージが強かったのですが、最近は大人向けの商品開発にも力を入れています。たとえば弁当箱やスタイリッシュなボトルなど、ファミリー全体で楽しめるアイテムを展開しているんです。芸能人やインフルエンサーの方々にもボトルを使っていただき、大人の層に向けた認知拡大にも注力しています。

黒瀬:実際、うちの社員も『この弁当箱いい!』と言って使い始めていて、大人層にもすでに響いていると感じますね。今後、さらにファミリーブランドとして成長していくのが楽しみです。

住田:ありがとうございます。これからもShopifyやアンバサダー施策をうまく活用して、コミュニティを大切にしながらブランドを育てていきたいと思います!

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