EC事業者でもできる環境貢献手段、『カーボンオフセット』って何?事業者メリットは?

今回は、ShopifyストアのCO2排出問題をサポートする『Carbon Offset Cloud』を開発したSustineri株式会社様に、サスティナブルな取り組みが企業へもたらす影響などについて詳しく教えて頂きました。

ーまず、海外ECでもよく見るようになった『カーボンオフセット』を貴社ではサービス提供されていると思うのですが、そもそもどういったものなのでしょうか?

企業活動でどうしても排出してしまうCO2を、他の場所で行われている森林管理や太陽光発電、水力発電、バイオマスなどの削減・吸収プロジェクトに資金提供することによって、代わりに削減価値(クレジット)を譲渡してもらう仕組みです。

海外はもちろん、実は日本の多くの企業や団体、自治体も使用している削減手段です。例えば、ヤフーさんではオフィスやデータセンターの電力使用に伴うCO2排出量をオフセットしていたり、ファミリーマートさんでは環境配慮型プライベートブランド商品の原料から製造、廃棄までのCO2排出量をオフセットしたりして、自社の事業活動に伴う環境負荷を削減するために『カーボンオフセット』を活用しています。その他にもそもそもCO2を排出させなかったり回収したりするような新しい技術も出てきてはいますが、多くの企業が取組み可能なコストで排出量を大幅に減らしていくには、まだまだ技術開発が必要なのが現状です。このような背景から、国や国連なども『カーボンオフセット』手段の積極的な活用を推奨しています。

ー確かに事業成長させながら排出量を減らすことは難しいので、『カーボンオフセット』は使わざるを得ない手段なんですね。その『カーボンオフセット』ができるSustineriのShopifyアプリ『Carbon Offset Cloud』はどのようなサービスですか?

Eコマースはリアル店舗を持たずに販売できるという便利さがある一方、有形商品であれば不可避なのが「配送」で、どうしても環境負荷をかけてしまう行為ですよね。ここに着目をして、商品の配送に伴うCO2排出量を自動で算定し、カーボンオフセットまで手軽に実行できるサービスを、アプリ導入だけでご利用いただけるように開発しました。
商品詳細ページにアプリブロックを設置でき、商品の配送距離や商品重量などから、リアルタイムで排出量を算定して具体的な数値を表示し、その排出量全てをオフセットしているとPRいただけます。
Eコマース事業者さまにとって手軽に取り組める気候変動対策となるだけでなく、サステナブルな取組みをしているというブランディング強化にも繋がります。海外では2~3年前からこのようなアプリが出てきていましたが、日本では当社が取組みをリードしています。日本国内の削減・吸収プロジェクトに資金提供できることが、国内の企業さまには喜ばれていますね。また、自社で独自に気候変動対策に取組むよりもコストパフォーマンスがいいので、まずはじめに取組む施策として、積極的な活用をご検討いただけると嬉しいです。アプリブロックの英語表記も対応していますので、消費者の環境意識が高い海外向けの越境ECをお持ちの事業者さまには、是非ともご活用いただきたいです。
料金は月額費用は無料、オフセットにかかる手数料だけを頂戴します。自社のECでどの程度のコストが必要か気になりますよね。こちらから概算の費用感を捉えていただけますので、是非一度お見積りしてみてください。

ー具体的に導入を検討している企業様はどんな目的をお持ちなのでしょうか?

企業やブランドとして、環境対策の新たな一手としてご検討いただくことと、それを消費者に直接PRできる点に期待されています。自社が経済的に成長すればいいという考えから、自社の成長が社会や環境に良いインパクトを与えるために何ができるか、という視点で事業展開を模索している企業さんとお話させてもらえるようになってきた印象があります。

ー 一方で、日本人の環境課題に対する意識をどう見ていますか?

確かに海外、特に欧米と比べると、日本人の環境課題に対する意識が遅れていることは否めません。海外では学校や職場を休んで日常的にデモが行われていたり、ECのオフセットも消費者が費用負担する価値観が浸透しています。この差が生まれた背景は、日本がたまたま地球上で豊かに生活しやすい地理的ポジションに位置していて、当事者意識を持つほどの危機感に直面していないから、ということに起因していると思っています。とはいえ既にグローバルの流れを受けて、環境意識を持つ日本の消費者も増えてきています。よくよく情報にアンテナを張れば、日本でも異常気象が続いたり、天災が多くなったり、質の良い食料が採れづらくなっていたりと、既にじわじわと私たちの生活に影響を及ぼしていることに気付けるはずです。日本においては、できるだけ早くどれだけの人が当事者意識を持てるかが鍵で、その追い風となるべくSustineriはCO2排出量削減アクションに繋がるサービス開発に注力していきます。

ー弊社のお客様であるコマース業界での、サスティナブルへの取り組みの事例などはございますか?

あまりに有名で規模の大きな事例からお話すると、パタゴニアさんですね。ご存じの方も多いかもしれませんが、常に売上の1%を環境保護団体に寄付する活動をしていますが、つい最近、創業者のイヴォン・シュイナードさんが全株式を環境保護団体に譲渡したことで大きな話題となりました。ここでお伝えしたいのはこの活動事例そのものではなく、彼の名言でもある「地球が私たちの唯一の株主」という言葉からも分かるように、思想の根底に、私たち人間は自然のエコシステムが成り立っている前提で生かされている、というこの地球の当たり前の大原則が刻み込まれていることです。特に今後もビジネスを展開していく人は、少なからず持っておきたい思想ではないかと思っています。
他の事例としてサステナブルブランドで有名なall birdsさんは、環境に配慮した原材料で商品を製造しているだけでなく、この製品が製造されるのにどれだけのCO2を排出しているかを見える化し、それらのオフセットもしていて「カーボンニュートラルな商品」として販売されています。ブランドの軸にサステナブルを置いている企業さんには、徐々にこの取組みが広がっていますね。
国内でもフードロス削減を軸としたブランドや、パッケージや包装資材のカーボンニュートラル化をしているブランド、使った商品を回収して再利用するブランドなどが増えています。
近年より競争が激化しているEコマース業界において、独自の差別ポイントを訴求するのにサステナブルな取組みは非常に効果的だと思いますね。

ーカーボンオフセットを通じてサスティナブルブランドとしての説得力が高まり、それが事業成長にもつながるのでしょうね。日本の企業に対して、Sustineriさんが伝えたいことはございますか?

企業を評価・支持する視点に、サステナブルや環境負荷軸が、早かれ遅かれ必ず入ってきます。もし仮に、3年後5年後にはさすがに何か対策していないとダメそうだよね、という見通しをお持ちであるなら、他社と足並みを揃えようと様子を見るよりも、他社より早くアクションを始めた方が先行メリットを取れることは間違いないので、出来るだけ早い取り組みの開始をご提案したいです。また、意識変革の初期フェーズは、企業が環境アクションをリードしていき消費者意識を牽引すべきだとも考えています。

ーまだ日本では環境対策に対してコスト意識が強いと思いますが、それでも海外企業は当たり前に積極的に取り組んでいるみたいですね。これは事業成長のチャンスがあると見ているのでしょうか?

間違いなくその通りで、出来る限りの環境アクションを行うことで投資家や金融機関だけでなく、取引先や顧客から評価を得ています。海外でそれはすでにデータとして表れていて、例えばEC事業において、弊社と同じようなオフセットができる海外サービスによると、9割のユーザーが環境アクションを行っているブランドを支持すると答えただけでなく、カゴ落ち率が20%程度、リテンション率も20%程度改善したという実績が打ち出されています。

CSR戦略としては広告出稿よりカーボンオフセットアプリ導入の方が効率的である、と言い切っているサービスもありました。

また日本でも、20-30代の若い世代を中心に、自身の購買活動に持続可能性があるかを意識する価値観になっているというデータもあります。例えばの事例で、大手化粧品ブランドが展開するサステナブルスキンケアブランドで、当初30代をメインターゲットとしてリリースした高価格帯の商品が、蓋を開けてみると20代の購入者が想定以上に多かったというケースがありました。つまりこれまでのマーケティングの常識が覆されてきているのです。そして、環境に対する影響を減らすために購入パターンを変えてもいいと考える消費者が増えていて、実際に57%が行動を変える意思があると回答しているデータもあります。
これまで購買に関する意思決定は、価格と品質といった2軸、いわゆる経済合理性で判断されることがほとんどでしたが、それらに環境負荷という項目が加わった3軸で判断される時代に移り変わってきています。その価値観を持った世代が、今後5年10年と経ったときに消費者の大半の割合を占めていきますので、できるだけ早いタイミングから環境に配慮した活動を行っているブランドほど、消費者に支持されながら一緒に歩みを進めていけるのではと思っています。

少しでも環境問題に貢献したい想いがあり、サステナブルなブランディングを強化したいEC事業者の方は、ぜひ『Carbon Offset Cloud』アプリの導入を検討してみてほしいです。ストアへの実装はStoreHeroさんがサポートしていただけますので、ぜひお気軽にご相談されてみてくださいね!

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