グロースは楽しい!を楽しくなるやり方とともに伝えたいCEO✖COO対談

「Hero Magazine」ローンチにあたり、CEOの黒瀬とCOOの笹谷が対談しました。グロースをテーマにしたこのメディアで伝えたいこと、そして実現したいこととは?

──StoreHeroは「Shopify×グロース分野でグローバルNo.1」を目指していますよね。コンセプトをより理解すべく、改めて起業経緯について教えてください。

(黒瀬)デジタルマーケティング関連のSaaSのスタートアップを数社経験し、シリコンバレーにある企業の日本のカントリーマネージャーを務めた後、2019年に笹谷と一緒にStoreHeroを起業します。SaaS時代に、自分たちのプロダクトをグローバルで展開したいとの思いを持っていたのですが、なかなか難しかった。そこで米国企業のカントリーマネージャーを務めるのですが、日本企業を対象にする仕事がほとんどで、日本発のプロダクトをグローバル展開したいなら自分でやらなくてはいけないと気づきました。

(笹谷)大学在籍中に越境ECサービスを提供する企業にエンジニアとしてインターンをし、新規事業に取り組みました。大学卒業後はオンラインでM&Aを完結させるサービスなどを手がけ、広告をはじめとするデジタルマーケティングにも携わった後、黒瀬と起業しています。

(黒瀬)笹谷とは、起業する前からいろいろと相談していましたね。現在のStoreHeroの経営陣の多くは、スタートアップ時代に出会っています。

──StoreHeroのプロダクトをグローバルで展開することを目指しているわけですね。

(黒瀬)僕らの規模では、プラットフォームを目指すより、グローバル展開しているプラットフォーム上で動くプロダクトを展開するほうが良いと考えました。では、どのプラットフォームに乗るべきか。ちょうどShopifyが日本で展開し始めた時期でした。僕と笹谷のバックグラウンドから、デジタルマーケティングを中心に何かしらEC事業者の方のお役に立てるのではと思い、Shopifyをプラットフォームとして選択しました。

(笹谷)当時Shopifyは、グローバルでは流行っていたのですが、日本ではそれほど知名度がなく、これから来るだろうと考えました。僕がプロダクト開発、黒瀬はお客様との折衝というゆるい役割分担で始まりました。

(黒瀬)Shopifyを利用するマーチャントは、ECサイトだけでビジネス展開している場合が多かったため、僕たちが店舗を借り、商品をお預かりしてポップアップストアに出店できるサービスを始めました。SaaSの経験から、ソフトウェアだけで完結するサービスはいずれ差別化が難しくなる。どこかアナログな部分は必要ではないかと考え、今でいうOMOサービスを展開したのですが、コロナ禍もあり難しくなりました。そこで一旦、寄せられていたニーズに合わせて、ストア構築やShopifyをご利用のマーチャントの売上アップ支援(グロース)に注力することにしました。

CEO 黒瀬 淳一

──Shopify パートナーも複数いますが、StoreHeroはグロース支援に強いイメージがあります。早くから売上アップ支援の相談が寄せられていたのですね。

(黒瀬)Shopifyに特化したグロースコンサルティングをサービスとして提供しています。ご利用のマーチャントには、当社で開発したプロダクト「StoreHero」をご利用いただいています。売上アップのための施策にKPIを設定し、それを達成するために今日何をやるかという日々の業務に落とし込み、その成果をモニタリングして改善し続けるためのプロダクトです。

(笹谷)たとえばCRMひとつとっても、使い勝手が良いもの、UIが優れているものなどさまざまあります。しかし、グローバルでもっとも流通しているプロダクトには思想があり、利用者はそれに納得して使い続けているのだと思います。共感した思想を実現するなら、そのプロダクトを使えば良いと自然に思える。僕たちはECのグロースにまつわる思想があり、それを実現しやすくするために「StoreHero」をご提供しています。

──ライブコマースのShopifyアプリ「LiveHero」がありますよね。いまや、Shopifyアプリもグローバル展開できるプロダクトのひとつではありませんか?

(黒瀬)個々の施策に取り組む際に、まだないけれどあったほうが便利なアプリがあれば開発することもあります。しかしながら、ある施策に取り組みやすくなったからといって、突然売上が上がることは少なく、あっても一時的なものだと考えています。僕たちはグロースにこだわっており、売上は自分たちで作るものだと考えています。そのマインドセットとともに「StoreHero」を提供したいのです。

(笹谷)商品やエンドユーザーのお客様について、もっとも理解しているのはマーチャントの皆さんです。グロース支援というと「これをやったらバズる」ようなすごい施策が出てくるのではと期待されることもありますが、StoreHeroではその部分を積極的にご支援することはしていません。「この施策ならお客様に響くのではないか」といったアイデアにマーチャントがたどり着き、実行を積み重ね、その成果を見て、さらなる改善に取り組むための業務支援を行っています。

COO 笹谷 拓

──「StoreHero」で成果につながったことはありますか?

(黒瀬)プロダクトを開発する経緯で社内のメンバー間で、グロースに対する考え方や取り組み方が共通化されてきました。たとえば、従来のマーチャントとの打ち合わせにおいては、ミーティングアジェンダがあり、モニタリング用のデータやスケジュールのシートがそれぞれの形であるのが通常でしたが、「StoreHero」の開発を通じて、型が出来上がってきて、自分以外のメンバーのアドバイスや支援が行いやすくなりました。また、ジュニアなメンバーも、その型通りに進めることで、目標から逆算した業務に落とし込んだ提案がしやすくなりました。

すでに一定期間ご利用いただいているマーチャントからは、僕たちが提案する前に「StoreHero」を見て、「このような数字が出ているので、ここの運用を改善してみます」と言っていただけます。グロースは毎日の業務の積み重ねですから、マーチャントに自ら動いていただけるとそれだけ前進します。支援会社からの提案を待っている場合とは、大きく差がつくところだと思います。

(笹谷)EC事業者の方はお忙しく、日々の業務に追われて、グロースにまで手が回らない場合もあるでしょう。今後はAIも入ってきて業務の自動化も期待できます。「StoreHero」では、多岐にわたるチャネルのデータを取得し、たとえばGA4とShopifyのデータをつないだ状態など見やすい形でモニタリングできるようにもなっています。日々の運営で精一杯ではなく、グロースのための施策を考え、日々の業務として実行できるようご支援できればと考えています。

──「Hero Magazine」で伝えたいメッセージとは?

(黒瀬)グロースとは何か、現状ではふわっとした定義になっていると感じますが、「Hero Magazine」によるコンテンツ発信で、明確にお伝えできればと思います。自分たち発信のコンテンツに関しては考え方から具体的な手順まで、マーチャントへのインタビューからは、実際に取り組んで成果につながったかなど生々しい声をお届けしたいです。一見地味かもしれないけれど、仕事で役に立つことをお伝えしていきますので、期待してください。何より、グロースは楽しいもの。それを伝えていきたいと思います。

(笹谷)売上を上げないといけない、でも今の取り組みが正しいかわからないとなるとしんどいですよね。StoreHeroでは、感性に訴えかけるクリエイティブではなく、論理立てた業務体系を提案しています。その根本にデータがあるべきですが、長年やってきたマーチャントでも貯まったデータを有効活用できていない場合があります。それではもったいないです。「Hero Magazine」でデータを根拠にした考え方、やり方をお伝えし、楽しくやりがいを持ってグロースに取り組んでいただけるようになればと思います。

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