寄稿 – EC事業のブランディングと物流

今回は、Shopifyストアの物流をサポートするShip&coアプリを開発した株式会社ベルトラン様に、EC事業のブランディングと物流の関係について記事を寄稿していただきました。

[株式会社ベルトラン様による寄稿]

度重なる出荷の遅延が発生する、荷物の配達日を把握できていないなど、”購入者からの多様なニーズにスムーズに対応できない”というEC事業者の悩みは珍しくありません。こういった物流面での課題はブランドイメージにも繋がりますので、EC事業成功を目指すためには、早急に解決に取り組むべき優先度の高い課題と言えるでしょう。当記事では、EC事業のブランディングに欠かせない「物流業務」について紹介します。

Contents

1. 物流は、ブランドイメージに繋がる

1.2 発送スピード

1.2 発送通知の有無

2. ブランドイメージを向上するための物流業務

2.1 最適な運送会社サービスの活用

2.2 最適な出荷管理システムの導入

2.3 嬉しくなる梱包材の利用

物流は、ブランドイメージに繋がる

物流とブランディングというタイトルを見て、「えっ」と思った人も多いのではないでしょうか。ブランドのイメージと、実際に提供している物流の印象が違うと、ブランドのイメージ自体が低下する可能性がありますので、オンラインショップを運営する際にまず注意すべきポイントだと考えられます。

それでは、物流とブランディングの関係について見ていきましょう。

1. 発送スピード

ECサイトでの購買体験は劇的に進化してきている現代ですが、特に「配達スピード」は、買い物の満足度を左右する最も重要な点とも言えます。

EC事業者の視点でみると、配達時間とは、受注後にバックオフィスで出荷を準備するまでの時間と荷物を配送業者に渡して届くまでの時間ですが、購入者の視点でみると、単に商品受け取りまで「待たせられている時間」ということになります。国内発送の場合、当日配達や即日配達を提供するオンライン店舗が存在している事からもわかるように、「配送スピード」で他のブランド(競合他社)と差別化をする戦略を導入している企業が増えています。

例えば、購入者は、「発送が意外と早い」、「求めているタイミングまでに届いて安心」という購買体験をすると、「次回も同じ店から買おう」という考えを生み出しますよね。例として京都発弁当箱専門店のオンラインショップ Bento&coの口コミを一緒に見ていきましょう。

素晴らしい商品、スピーディな配送!次回もここから買おうと思う。

上記のように、口コミによく書かれる一つのポイントは、「配達スピード」です。EC事業を生き残るためには、商品の価値を提供するだけではなく、サービスの利便性を高めて、より良い購買体験を購入者に提供する必要があります。逆に、いくら良い商品を販売しても、「購入者が求めているタイミングまでに届かない」ことになると、「このショップは発送が遅い」など不満を感じた購入者は、リピーターにならず、ストア側の売上げが伸びない理由に繋がります。

2. 発送通知の有無

購入者からよくあるWISMO(Where is my order)の質問に繋がるポイントとして、「発送通知の有無」もとても重要です。

・オンラインショップ ①:購入後、発送通知が全くなく、2〜3日で商品が届いた

・オンラインショップ ②:購入後、注文の確認から配送情報通知まで都度連絡があり、2〜3日で商品が届いた

上記の場合、どちらのオンラインショップに良いブランドイメージを持つでしょうか。

2022年 ブランド・オーセンティシティ・レポート調査によると、「価格よりも重要なことは、信頼性、良い顧客体験、透明性」という結果が出ており、顧客にしっかり通知して明確なコミュニケーションを取る必要がある事がわかります。お客様からの問い合わせを待つのではなく、お客様が何もしなくても必要なタイミングに情報を取得できるようにする事で、利便性を高め、他社に勝ち抜く事ができるのです。

Shopifyの場合、受注のタイミングと発送のタイミングに、Shopifyが提供するテンプレートに基づいて自動的に通知が行われる仕組みになっていますので、Shopifyマーチャントは、その点について安心できますね。さらに、テンプレートをカスタマイズし、ブランドイメージに合わせてデザインを調整することも可能です。

ブランドイメージを向上するための物流業務

今まで可視化されていない「物流とブランドイメージ」の関係をご理解いただけましたでしょうか。次は、ブランドイメージを向上するための物流業務という事で、各物流プロセスに配慮したブランディングのポイントを紹介します。

1. 最適な発送方法の活用

当然ながら物流面のコストダウンは重要なポイントですが、物流サービスを導入する際に検討すべきもう1つのポイントは、運送対応が可能なモノ、営業エリア、安全・品質管理能力です。

国内出荷の場合、業界内で主要と言われる配送業者は、以下の4社です。

  • 日本郵便(ゆうパック、ゆうパケットなど)
  • 佐川急便
  • ヤマト運輸
  • 西濃運輸

国内運送会社は「配達希望時間指定」や「お届け日指定」などのオプションサービスがありますので、ストア側にもこのオプションを提供すると、ストアの利便性を強調することができ、ブランドイメージの向上に繋がるかもしれません。

海外出荷の場合、海外発送に対応した物流会社を利用する必要があります。越境ECの配送方法は、航空便(エアー便)、船便、物流代行サービスなど、様々な種類があり、日本から海外に発送する運送会社としては、以下のような種類に分けられます。

  • クーリエ業者:FedEx、DHL、UPS、SF Express、ECMSなど
  • 公的配送会社:国際郵便(国際スピード郵便、小形包装物など)
  • 物流代行サービス:オープンロジ、エアロジ、ペガサスグローバルエクスプレスなど

上記の運送会社の種類の使い分けにより、お店のブランドイメージはどう変わるのでしょうか。例えば、高級ブランド店として位置付けしていても、例えば国際郵便の小形包装物などの安価な配送サービスを利用していると、配達まで30日間以上かかり、店や商品のイメージ低下に繋がるでしょう。一方、割高となりますがドアツードアでサービスを提供するクーリエ業者(FedEx、DHL、UPSなど)を導入した場合、例えば日本からアメリカまで1〜3日で到着し、かつ時間の指定まで可能ですので、物流面でも高級感を感じてもらえるのではないでしょうか。

2020年4月以降、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響により、国際郵便物の一時引受停止の対象国が増え、急に発送できなくなるケースがあります。そんな状態を回避し、ブランドの信頼性を確保するためにも、複数の運送会社と契約されることをおすすめします。

2. 最適な出荷管理システムの導入

スムーズな発送の裏には、バックオフィス業務があります。特に自社発送を行っている企業の場合、オンラインショップのバックオフィス業務を改善するために最適な出荷管理システムの導入が必要です。

今回、紹介するのは、『Ship&co』です。

Ship&coは、Shopifyを含む複数のEC店舗のオーダーと複数の国内外運送会社アカウントを一元管理でき、送料の比較、送り状・インボイスの発行、受注ステイタスの更新・追跡番号の同期までの出荷作業を1つのインターフェイスで完了できる送り状発行システムです。

発送プロセスの1つである書類(送り状・インボイス)の発行が、手作業・手入力で行われると、時間や手間の問題だけでなく、ミスの多発という課題も発生します。それによりブランドイメージを壊してしまう事になりますので、物流の課題を抑え、最適な出荷管理システムを導入しましょう。

Ship&coを導入すると、1クリックで発送に必要な書類を発行することが可能です。手間がかかる出荷業務を20秒以内に短縮、90%の時間を節約できます。今までの手動コピペの繰り返し作業は一切必要なく、Shopify受注データの自動連携で送り状・インボイスを作成することが可能です。各運送会社のソフトウェアを使い分けるよりもはるかに楽です。

3. 嬉しくなる梱包材の利用

ECの購買経験には、セラーとバイヤーが対面で会う機会がありませんので、できるだけ良い印象を与えるために梱包材へのこだわりも大切なポイントとなります。どれだけ商品が良く、お洒落なサイトデザインを提供していても、粗雑な梱包ですと悪い印象を与えるため、ブランド価値を認めてもらう事が難しく、ストア自体の評価を下げかねません。

そこで、バイヤーが受け取った時に嬉しくなる&ブランド認知してもらえる梱包材を利用しすることを心がけましょう。

無地封筒や箱でも通常の運営方法としては問題ないのですが、よりブランドのオリジナリティを提供したいオンラインショップは、ぜひカスタム梱包資材の導入を検討してください。

主に、ECサイト運営においてカスタマイズ可能な梱包資材は、以下の通りです。

  • ダンボール
  • 封筒
  • 梱包用テープ
  • 緩衝材

と言っても、ストアを立ち上げてすぐに梱包資材のカスタマイズをする予算など十分にないセラーも多いと思います。そんな時は、梱包時に感謝の手紙を同封することで、バイヤーの印象に残り、ブランド認知を獲得できます。段ボールを開ける際、一番最初に手書きのメッセージが目に入ると、ワクワク感がアップし、ぐっと良い印象を与えられます。

物流手法の見直し

以上、ECにおける「物流」に関してどのように感じましたか?物流もブランディングも、絶対こうしないといけないということは、一切ありませんので、現在の物流プロセスを見直して、自社の企業ブランディングに合う物流手法になっているか、しっかり確認しておきましょう。

※この記事は株式会社ベルトラン様に寄稿いただきました。

まとめ

StoreHeroでも、同梱物を使ったCRMはよく提案・実施している施策ですが、発送方法、出荷管理システム、梱包資材についてまで幅広く解説していただきました。物流はグロース観点からも、こだわると深い世界ですので、ぜひ、今回の記事が物流改善のきっかけになればと思います。

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