商品ページの購入率を高める11個のチェック項目

Shopifyでストアを作ったら購入率(CVR)を高めることに頭を悩ませますよね?

Shopifyストアの売上や購入率に最も影響するのは、商品そのものですが、その次ぐらいに購入率に影響するのは商品ページです。

広告やCRMの費用対効果を高める上でも、購入率を高めることは、ストアを立ち上げたらまずやらないといけないことです。

今回は商品ページの購入率を高める方法を紹介します。

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商品ページ改善のポイント

商品ページを改善する時に私が気をつける3点は主にこちらです。

  1. UVPを中心に考える
  2. 10−15秒で購入を決められる
  3. モバイル優先

改善対象の項目はたくさんありますが、まずはこの3点を中心に考えると改善しやすいです。

UVPを中心に考える

UVPというのは、Unique Value Propositionの略で、直訳すると独自の価値提案です。平たく言うと、「商品のウリ」です。商品ページは商品のウリが一番伝わるように設計します。

商品のウリを伝えるには、下記の3点が大事です。

  • どんなウリがあるかを知る。
  • ウリを具体的に表現する。
  • ウリはユニークであるほどよい。

商品のウリを知らなければ、ウリを伝えるのは不可能です。理解できていなければ、お客さんに「なんで買ってくれたんですか?」と聞いてみます。

また、ウリは具体的であるほど、伝わります。「軽い」というより「ティッシュペーパー10cmと同じ軽さ」と説明したほうが理解できます。

更に、ウリはユニークであるほど売れます。ただし、機能軸で勝負すると、レッドオーシャンになりがちなため、「IT業界で最も支持されたカバン」などのように、勝負の土俵を限定するなどの工夫が大事です。

10−15秒で購入を決められる

理解できないものや難しいものは購入率が低くなります。直感的に良さが理解できる商品ページを作ることが理想です。

だいたい10−15秒で購入決定ができるように設計すると良いと思います。

お客さんが商品を購入するまでには、下記のような判断が入ると思いますが、3番めの「買いたいと思う」までが10−15秒で完結するようにします。

  1. 興味を持つ
  2. 理解する
  3. 買いたいと思う
  4. 購入する

「興味を持つ」と「理解する」に有効なのが、商品画像です。商品説明を詳しく読まなくても、商品画像を見てほぼ理解してもらえるのが理想です。

お客さんが購入する上で確認したい商品画像を用意しておくことは、素早い購入決定を促す上で重要です。

モバイル優先

個人向け商材の場合、通常、モバイルユーザーの方がトラフィックも購入も多いと思います。したがって、モバイルとデスクトップの使い勝手がトレードオフになる場合は、モバイルを優先します。

デスクトップユーザーの方がトラフィックや購入数が多い場合も、モバイルの方がユーザービリティの影響を強く受けるため、ユーザービリティに関しては、やはりモバイルを強く意識します。

11のチェック項目

3つの改善ポイントを踏まえた上で、商品ページを改善するときの具体的な確認項目を11個挙げておきます。

メインの商品画像

先も説明しましたが、商品画像は超重要です。明るくて、パッとその商品が何か判断できる商品の画像を使いましょう。

GoogleやFacebookのショッピング広告を使う場合も、この商品画像を使うことが多いと思います。パッと見て分かりづらい商品画像だと、クリックしてもらえないので、広告運用をする上でも商品画像は重要です。

高解像度の画像を使って拡大できるようにするなども商品によっては有効です。ただし、画像が重すぎてページの表示速度が遅くならないようにします。

Bonobosの商品画像

ShopifyにはTinyIMGなどの画像圧縮アプリがありますので、画像枚数が多くて遅い場合は使うと良いです。

AMP by Ampify MeのようにページをAMP化してくれるShopify Appもあります。AMPは、CDNにキャッシュさせてモバイルサイトの表示速度を速める手法です。

ページをAMP対応させると検索エンジンやSNSからのモバイルでの流入時に表示速度が格段に早くなります。

SEO効果があると言われることがありますが、AMP化しても検索順位が上がることはほぼ無いです。あくまで表示速度を高めて購入率を高めるために行う施策です。

※AMP化するとレコメンドやウィッシュリストなどの一部の機能が動かなくなる可能性があるので、その点は注意が必要です。

イメージギャラリー

イメージギャラリーもメイン画像と同様によく見られます。イメージギャラリーとは、メインの商品画像を差し替える機能です。

イメージギャラリーでは、お客さんが購入前に見たい角度の写真を用意しておきます。

下記はShopifyで運営しているRed Bullのオンラインストアですが、イメージギャラリーを使って色違いなどを紹介しています。

こちらが見せたい画像と、お客さんが見たい画像は往々にして違います。そういったギャップを後ほど紹介するツールなどを使って分析して改善することも大事です。

商品の基本情報

商品の基本情報というのは下記のような情報です。個人的には、商品タイトル、概要説明、価格はこだわることが多いです。

  • 商品タイトル
  • 概要説明
  • 価格
  • 機能特徴
  • バリエーション

商品タイトル

ブランディングなどを抜きにすれば、商品タイトルは、覚えてもらいやすく(再検索しやすい)、他社商品などで使われていない名前が理想です。

例えば、「パンツ」という商品名にしてしまったら、InstagramやGoogleで検索した時に、一般名詞すぎて他社や個人のコンテンツとかぶりまくって、自社ストアにたどり着けなくなる恐れがあります。

概要説明

概要説明は、冒頭に説明したUVPが伝わる簡潔な内容にします。Glossierの商品ページでは、各商品に一言で分かりやすい強みが説明され、更に商品の特徴も簡潔に分かりやすく紹介されています。さすがユニコーン企業。

Glossierの商品ページ

価格

価格は、割引をしている場合は、割引価格と併記してお得感を明示します。また、その商品の高級版があれば、その商品と価格を並べると、価格メリットが訴求されます。

女優Kylie JennerのコスメブランドKYLIE COSMETICSもShopifyで運用されていますが、商品ページで割引額が分かるように表示しています。

KYLIE COSMETICSの価格表記

割引前価格を表示させるのは、Shopifyのデフォルト機能です。割引前価格を登録しておけば、大概のテーマでは普通に表示されるはずです。

レビューと評価

レビューや第三者からの評価は、購入の後押しに有効です。

レビューは、Shopify AppのYotpoStamped.ioなどのアプリを使えば簡単に実装できます。レビューを集めるメールやクーポンを配布できる機能もあり高機能なアプリです。

レビューや第三者からの評価は、ソーシャルプルーフと呼ばれる施策の一つですが、Shopifyでのソーシャルプルーフ活用法は、こちらの記事で紹介しましたので、参考にしてみてください。

ブランドがまだ確立されていない新しいストアこそ、ソーシャルプルーフを商品ページで活用するべきかと思っています。

ソーシャルプルーフを作るために、ストアを立ち上げる前に商品を手売りや商品サンプル配布してレビューを集めたりするのも有効です。

手売りやサンプル商品でレビューを集める

商品の詳細説明

勝負は、ほぼ商品詳細説明を読む前についています(笑)ここから挽回することはかなり厳しいです。

では、商品の詳細説明は、何のためにあるのかというと、お客さん自身の判断が間違ってないことを確認してもらうためです。

不安に思うことを先回りして、解消するコンテンツを配置していきます。ECでものを買う時に心配になることって何でしょうか?

商品によりますが、下記のような色々な不安があります。こういった不安を解消していけば良いわけです。

  • 買ったけど思ったものと違った。
  • 買ったけど似合わなかった。
  • 買ったけど使いこなせなかった。
  • 他にもっと良いものがあった。
  • 他で買ったほうが安かった。
  • すぐに破れた・壊れた。
  • サイズが合わなかった。
  • プレゼント用に買ったのに箱が汚れていた。
  • 必要な日に届かなかった。
  • 不良品が届いた。

こういった不安を解消するための商品詳細情報として下記のようなコンテンツは有効です。

  • 利用シーン
  • 利用方法
  • 比較表
  • サイズ

利用シーンや利用方法は、動画を活用するのもありだと思います。

特に機能が多い商品を伝えたい場合は動画が有効です。1機能ずつ画像とテキストで説明すると分量が多くなりすぎますが動画であればコンパクトに説明できます。

動画に加えて、ShopifyはARで商品を訴求することもできます。私はARを試したことがありませんが、もしかしたら、とんでもない購入率を叩き出すのかもしれません。試した方がいれば、ぜひ、成果をこのBlogのコメント欄で教えて下さい。

ShopifyのAR商品紹介

信頼要素

不安を解消するには、商品情報を充実させる以外に、下記のような情報を明示しておくことも重要です。地味ですが、心配性な人には有効です。

  • 返金保証
  • 返品ポリシー
  • 配送情報

また、チャットでいつでもお客さんの不安を解消できるようにしておくことも有効です。Shopify Appには、ノーマルなチャット以外に、bot機能があるもの、Facebookとつながるものなど、色々な種類があります。

参考:Shopifyのチャットアプリ例

また、Shopify Appではないですが、Shopifyと連携できるManyChatというSaaSが便利です。

最近、初めて使ったのですが、Shopifyと連携してカート落ち通知などができるだけでなく、チャットの中で顧客の属性情報(性別やメールアドレスなど)を取得して顧客データとして保存することができます。

入力フォームで答えるより、会話の中で自然に聞くほうが取得できるんじゃないかと期待しています。

ManyChatはチャット内で顧客データが取得できる

購入促進

最後のひと押しの施策も行っておきましょう。

残りの在庫数や、今何人のお客さんが閲覧しているかを表示して、「買わないまま放置しておくと他の人に商品を買われて、買う機会を失いますよ」と焦らせます。

FeraというShopify Appを使うとリアルタイムの在庫数とお客さんの閲覧数を表示させてくれます。

以上をしっかりやりきれば、お客さんは商品を購入してくれるでしょう。それでも、購入されなかったときの対策もありますので、下記で紹介します。

ウィッシュリスト(お気に入り)

ウィッシュリスト機能を導入すると、購入を決めきれなかった商品がお気に入り登録されて、次回の検討タイミングで購入してもらいやすくなります。

Shopify AppにWishlist Plusというのがあり、簡単にお気に入り機能を導入することができます。

在庫リマインダー

お客さんがいくらほしいと思っても在庫を切らしてしまっていると買えません。そんなときには在庫リマインダーが効果的です。

お客さんが欲しい商品の在庫が切れている時に、登録しておくと、在庫が入った時に通知が届き、購入に繋げられます。

Shopify AppにはBack in Stockという在庫リマインダーアプリがあり、在庫リマインダーを簡単に導入することができます。

レコメンド

その商品を気に入らなかったとしても、他の商品であれば購入してくれる可能性があります。

商品レコメンドは、その商品が売れなくても、他の関連商品をおすすめして購入行動をつなぎとめてくれる効果があります。

Shopifyには関連商品をレコメンドしてくれるアプリがたくさんあります。

商品ごとの購入数が十分多い場合は、購入データにもとづいたレコメンド、商品ごとの購入数がまだ十分でない場合は、マニュアルやコレクション内の商品レコメンドなどを活用します。

Also BoughtというShopify Appは、マニュアルにも自動レコメンドにも対応し、除外商品など細かい調整もできるため便利です。

レコメンドアプリAlso Bought

分析&改善

商品ページの購入率を高めるための要点を説明しましたが、やることをやったつもりでも、なかなか思うように改善しない事が多いです。

そんなときは、原因を分析して改善していきます。分析するためのツールとしてよく使うのは、下記です。

  • Hotjar / Lucky Orange
  • Google Search Console
  • Googleオプティマイズ

Hotjar / Lucky Orange

HotjarLucky Orangeを使うと、お客さんが商品ページをどうやって見ているかを録画してくれます。

Hotjarの録画画面

録画された映像を見ながら、

  • こちらの見てほしい部分が見られているか?
  • 分かりづらそうにしていないか?
  • 想定以上に見られている部分は何か?

などを確認して、改善していきます。

Google Search Console

GoogleのSearch Consoleは、商品ページの改善にも使えます。

Search Consoleで対象ページを選択し、

対象ページへの流入キーワードを抽出します。

流入キーワードはニーズなので、ニーズに合った情報や表現が商品ページで、対応できていなければニーズに合うように修正します。

Googleオプティマイズ

商品ページの改善では、どちらの画像が良いのか、どちらの表現が良いのか迷うことも多いと思います。

以前もこちらの記事で紹介しましたが、厳密に検証をしたいときは、Googleオプティマイズを使ってABテストをしてみても良いかもです。

以前、こちらの記事でGoogleオプティマイズの使い方を簡単に紹介しましたが、思っているより簡単に使えます。

ちなみに、昔、ABテストツールを開発して、たくさんのABテストをしましたが、その時の経験上、枝葉末節のテストをしてもほぼ結果に違いがないです。ABテストは購入率に大きく影響しやすい項目からにしましょう。

商品ページの場合は、この記事の最初の方に説明した要素ほど、購入率に影響しますので、そのあたりからABテストをすると良いと思います。

事例から学ぶ

商品ページの改善に限りませんが、最初は事例を大量に見て気になった点をまとめておくと、コツをつかむまでが早くなります。

事例を大量に集めたサイトを使って、大量に事例を分析してみましょう。

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まとめ

購入率に強く影響する商品ページの改善方法を紹介しました。

広告やCRMなどで攻めの施策を積極的に行う前に、商品ページをしっかり改善しておくことをおすすめします。

商品ページの購入率を高めまくったら、広告やCRMなどの攻めの施策の効果が高くなり、打ち手が広がります。

商品ページで、めちゃくちゃ購入率が高くなった施策などあれば、ぜひ、下にあるコメント欄で共有頂けると幸いです。

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