今回は、ShopifyストアにReferral Candyを使ってリファーラルプログラムを導入する方法を紹介します。
リファーラル施策は、グロースハックの花形です。グロースハック事例でよく見るDropboxやUberなどもリファーラル施策の例です。
一方、難易度が高いのもリファーラル施策です。
まず、継続購入されない商品やコンプレックス系商材など表立って人に紹介しづらい商品はリファーラル施策に向かないです。
また、リテンション(再購入率)が良くない場合も、まずは継続購入率やLTVを高めてください。満足度の低いストアを友人に紹介しようと思わないですよね(苦笑)
継続購入率が高くなったら、リファーラルプログラムにチャレンジしてみてください。もしすでに実施されている方は、コメント欄に取り組みや結果をシェアして頂けると幸いです。
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リファーラル施策とは
リファーラル施策とは、お客さんがお客さんを紹介する仕組みを作る施策です。
リファーラル施策には、インセンティブ型のリファーラル施策と自然拡散型のリファーラル施策があります。
リファーラル施策は、SaaSやウェブサービスで盛んなので、まず、SaaSやウェブサービスのリファーラル施策の事例を見てイメージを作ってから、Shopifyストアでの導入方法を見てみましょう。
インセンティブ型リファーラル施策
インセンティブ型のリファーラル施策は、ポイントやプレゼントなど、何らかのインセンティブを使ってリファーラルを人工的に促す施策です。
コマースビジネスでよく行われるリファーラル施策はインセンティブ型です。
Dropboxは500MBの追加容量というインセンティブを使ってリファーラル施策を行い成長を速めました。
自然拡散型リファーラル施策
自然拡散型のリファーラル施策では、インセンティブを使わずに自然にリファーラルを生む仕組みを作ります。
本当に商品やサービスが良くて自然にリファーラルが発生することもありますが、意図的に行う代表例としては、無料でサービス提供する対価としてサービス紹介させてもらう施策です。
下記はHubspotの無料版の入力フォームですが、最下部にHubspotの紹介が入っています。Shopify Appの無料版でもよく見かけます。
それではイメージを作ったところで、リファーラルプログラム(インセンティブ型のリファーラル施策)をShopifyストアに導入する方法を紹介します。
リファーラルプログラム導入の手順
リファーラルプログラムをShopifyストアに導入する手順は下記のとおりです。
- オファーを決める。
- リファーラルプログラムAppを決める。
- LPを作る。
- プロモートする。
- 分析・改善する。
順を追って説明します。
オファーを決める
まずはオファーをを決めます。
紹介した知人が最初に購入した時に、ディスカウントクーポンが得られるというインセンティブが典型例です。紹介された知人もディスカウントが得られるリファーラルプログラムが多いです。
下記はスーツケースのAwayのリファーラルプログラムですが、紹介した側もされた側も20ドルオフになります。
BONOBOSのリファーラルプログラムでは、紹介した側と紹介された側が25%オフのクーポンが得られます。
金銭的なオファーだけでなく、サンプル商品をプレゼントする方法もありでしょう。その場合、商品のプロモーションを兼ねることができます。
リファーラルプログラムAppを決める
オファーを決めたら、Shopify Appをインストールします。
リファーラルプログラムが実装できるShopify Appは下記など多数あります。
リファーラルプログラムのアプリは、他のアプリとの連携やコミッションフィーなどで高額になりやすいため、使い方を決めてから、自社にとって費用対効果の高いアプリを選択します。
Shopify Appを使えば、ユーザーの管理やリファーラルリンクの生成など、リファーラルプログラムに必要な機能が簡単にShopifyストアに実装されます。
Referral Candy
Referral Candyは有名なリファーラルプログラムのアプリです。今回はReferral Candyの使い方を詳しく紹介します。
リワードの作成
まず、紹介元と紹介先のリワードを作成します。
紹介元へのリワードは、クーポン、現金、カスタムの3種類あります。カスタムは、ノベルティなどの特典をプレゼントする場合に活用します。紹介先へのリワードはクーポンのみとなります。紹介先にはリワードを渡さないこともできます。リワードでのクーポンの設定は、通常のShopifyのクーポンと同様に割引額・率、期限などを設定します。
Rewards Settingsで支払い通貨、最低購入金額、成果判断期間、必須の紹介回数、紹介対象の購入を設定します。
- 最適購入金額を設定した場合、それ以下の注文金額の場合は、リファーラルの対象外となります。
- 成果判断期間以内であれば、リファーラルを拒否することができます。
- 必須の紹介回数未満の場合、紹介元はリワードを受け取れません。
- 紹介対象の購入を設定することで、紹介後の初回購入時だけ、毎回、最初の2回など、対象となるリファーラルを設定することができます。
メール、ページの設定
Email&Pagesでリファーラルプログラムで使うメールとページの設定を行います。簡単に済ませたい場合はAutopilot Themeを選択して、ロゴと画像だけを変更します。
コンテンツの修正を行いたい場合は、Simple Themeをカスタマイズします。
Simple Themeは、Editより編集することができます。Post-purchase Email、Join Page、Reminder Email、Share Pageの4種類のメール・ページの編集ができます。
Post-purchase Emailは購入後に自動で送付されるリファーラルプログラムへの招待メールです。このメールは後述する設定により送らないこともできます。
Join Pageは、リファーラルプログラムへの申込みフォームページです。リファーラルプログラムの説明をしっかりしておきましょう。
Reminder Emailは、リファーラルプログラムに申込後、1回もリファーラル成果が出ていない人に自動で送られるメールです。うざくならない程度に、モチベーションを保ってもらう内容にしましょう。
Share Pageは、リファーラルプログラムに申込後、紹介元が自分の紹介用のリンクURLを受け取るページです。
SNS紹介時のメッセージ
Social Media Settingsでは、SNSで紹介元が紹介する際のデフォルトのメッセージを設定することができます。先程のShare PageにSNSシェアリンクがあり、それを押したときのメッセージの設定となります。そのまま使う人も結構いますので、そのまま使われても良いようにしておきましょう。
その他ウィジェットの設定
Widgetsメニューより、いくつかの便利なウィジェットが設定できます。
Post-Purchase Popupは、購入後にサンキューページで表示されるポップアップです。購入後にリファーラルプログラムに誘導するために使います。
Embedded Signupは、リファーラルプログラムへの申込みフォームです。ページに埋め込んで使います。
Referral Widgetは、ストア上で右下にポップアップで表示されるリファーラルプログラムへの申込みフォームです。
Cookie Consentは、Cookie取得への同意バナーの設定です。GDPRやCCPAなどでは、Cookieは事前に承認を得た上で取得することになっています。
Email設定
Settingsでは、Emailを送るか送らないかなどの設定ができます。必要に応じて設定しておきましょう。
CRMツールとの連携
Mailchimp、Klaviyoと連携することができます。Klaviyoの場合、API Keyを登録するだけで連携は完了です。連携することで、リファーラルプログラムへの招待メールがKlaviyoなどから送られます。Klaviyoなどにリファーラルプログラムの紹介メールを送る際に必要なデータが登録され、CRMで活用することができます。
Google analyticsとの連携
Marketing&AnalyticsではGoogle Analyticsと連携できます。Google AnalyticsのトラッキングIDを登録すれば連携完了です。Referral Candyが作成するリファーラルプログラム登録ページなどにGoogle Analyticsが設定されます。
広告との連携
Ads&Retargetingでは、Google広告、Facebook広告、Adrollとの連携ができます。連携することで、リターゲティングに活用することができます。
リリース後の成果承認作業
リリース後は、Purchase & Referralssでは、紹介元と紹介先と注文内容を確認しながら、当該注文を承認・却下します。特に現金をリワードとして設定している場合は、不正も発生しますので、しっかり確認が必要です。
モニタリング
Dashboardでは、日々のリファーラル状況を確認することができます。誰が誰に紹介したのかを把握することで、顧客同士のソーシャルグラフも理解することができます。ソーシャルグラフが把握できれば、SNSの運用でも活用することができます。
LPを作る
リファーラルプログラムへの参加を促すためにLPは有効です。上述したようにReferral CandyではLPも作成できます。
リファーラルプログラムをメールでも通知しますが、ストア内にLPを設置しておくことで、取りこぼしを減らせます。
プロモートする
リファーラルプログラムは、適切なタイミングで既存顧客に認知してもらえるよう仕掛けます。
購入直後や商品到着直後など、お客さんの気分が良いタイミングを狙って、メールやチャット、ソーシャルメディアで訴求します。
購入直後
購入直後のサンクスページはリファーラルプログラムを訴求する理想のタイミングです。
上述したように、Referral Candyではサンクスページでリファーラルプログラム訴求用のポップアップを表示する機能が標準実装されているので活用してみましょう。
同様に購入完了直後のメールやチャットもリファーラルプログラムの絶好の訴求タイミングです。
Referral Candy、LoyaltyLion、SmileなどのShopify Appには購入完了直後にメールでリファーラルリンクを通知する機能がありますので、活用します。
広告
Google広告やFacebook広告のリマーケティングで、購入者を追いかけてリファーラルプログラムを提案することも可能です。購入者向けのリマーケティング施策の1つとして検討しても良いかと思います。
先程紹介したように、Referral Candyは、GoogleやFacebook広告と連携することができますが、連携しなくても、購入者全員を追いかけることはできますので、連携自体は必須ではないかと思います。
商品到着時
商品到着後にメールやチャット、あるいは梱包物(リーフレットなど)でリファーラルプログラムを訴求する方法もあります。商品に満足してくれたなら、周りに紹介してくれやすいタイミングです。
ソーシャルメディアでUnboxing(開封の儀)写真や動画を投稿している人を見つけてコンタクトする方法もあります。
リファーラルプログラムに限らず、お客さんとOne To Oneのコミュニケーションをコツコツ行うことは、顧客資産を作る上で効果があります。
Glossierはユニコーン企業になった今もお客さんのポストに対して個別に会話をしていて素晴らしいです。
分析・改善する
リファーラルプログラムに貢献してくれているお客さんを分析すると、思わぬヒントが見えることがあります。
また、リファーラル施策が本当に収益を生んでいるのかを分析することも重要です。リファーラル施策は、継続購入率が高くて初めて成り立ちますので、紹介された人の継続購入率を調べましょう。
貢献度の高いお客さんの分析
貢献度の高いお客さんのリファーラルリンクURLをTwitterで検索すれば、どうやって紹介しているか分かることがあります。紹介の仕方からヒントを得れば、ソーシャルメディアへの紹介メッセージのテンプレートを改善できます。
また貢献度の高いお客さんのリファーラルプログラム案内ページへの被リンクを調べれば、集客経路も調べる事ができます。
被リンクはMozやAhrefsを使えば調べられます。
上述したように、Referral CandyにはGoogleAnalyticsが設定できますので、GoogleAnalyticsを使えば、お客さんがどうやって集客しているかが、より詳しく分かります。
本当に収益化できているか?
リファーラルプログラムの直接的な売上はReferral CandyなどのShopify Appで集計されます。一方、紹介で購入したお客さんの継続購入率が高いかを把握する必要もあります。
バーゲンハンターが集まっているようであれば、収益貢献していない可能性があるためです。
長期的な売上を見るには、リファーラルプログラム経由のお客さんのLTVを集計するのが正確ですが、手っ取り早く確認するには、エンゲージメントの売上貢献分析の記事で紹介したMixpanelを使う方法があります。
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まとめ
ShopifyでReferral Candyを使ってリファーラルプログラムを導入する方法を紹介しました。
リファーラル施策は難易度が高いですが、うまくいけば非常に成長速度が高くなります。
継続購入率が高いShopifyストアさんは、ぜひ、リファーラルプログラムにチャレンジしてみてください。すでに実施されている方は、コメント欄に取り組みや結果をシェアして頂けると幸いです。
StoreHeroではリファーラルプログラムの活用含めてShopify×グロース全般の支援が可能です。お気軽にご相談ください。=>StoreHeroのサービス紹介資料を見る(無料)
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