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宣伝会議サミット2024夏(東京)
2024年6月12日(水)に株式会社宣伝会議が主催された、事業成長に貢献するマーケティングの在り方を語り合うリアルイベントです。
企業のマーケティング担当者やCMOなどマーケティングやコミュニケーションの役職者が集まり、経営とマーケティング、企業と顧客との関係について、最新の実践知識を共有し、次なる戦略のヒントを導き出していただくことを目的としたイベント、宣伝会議サミット2024夏(東京)にて、支援先の株式会社アルビオン榊原様と弊社代表黒瀬がセミナー登壇致しました。
今回は、その様子を抜粋して、レポートにてお伝えさせて頂きます。
登壇者
株式会社アルビオン/国際ブランド営業部 国内推販グループ グループ長 榊原 隆之 氏
【略歴】
1990年株式会社アルビオン入社。全国の有名化粧品店、百貨店への卸営業を20年務めた後に、ライセンスブランドの国内外マーケティングや営業を管轄する国際事業本部に着任し、現在はANNASUI、PAUL & JOEの国内展開を担当している。2019年から自社オンラインストアの開設、運営も担当し4ブランドのオンラインストアサイトを立ち上げてきた。
株式会社StoreHero/ 代表取締役CEO 黒瀬淳一 氏
【略歴】
筑波大学卒業、神戸大学大学院修了後、(株)アクシイズに参画。取締役としてSaaSの開発/販売に従事し、同社を売却。その後、(株)インターネットインフィニティ、(株)チームスピリットに参画し、事業開発、営業/マーケティングを担当し、その後、同社はそれそれ上場。Ginzamarkets(株)のカントリーマネージャーを経て2019年、(株)StoreHeroを創業。
Shopify×顧客との繋がり
2025年のGoogle ChromeのサードパーティCookie廃止に向けて、オンライン上で商品を販売する事業者は、自社で顧客データを集める重要性がますます高まってきています。
今回、アルビオン様に顧客との繋がりをテーマに解説していただくことにした理由は、顧客と深い関係を構築し、質の高い顧客データを保持することが大事になってくるためです。
Paul & JoeのShopify Plus活用
ストア構築、CRM・接客機能の充実、ロイヤル顧客化の流れで、3年間の取り組みを解説。
Step1 Shopify Plusストア構築
ブランドに興味を持っても生活圏に店舗がなく、物理的にブランドと出会えないお客様の存在が気になり、自社ECは必要だという結論に至り、検討し始めた。いくつかのストア構築・支援企業とやり取りをする中、2020年にStorHeroと出会いShopifyを知り魅力を感じた。コスメだけではなく、ブランドの全てのアイテムを楽しんでいただけるサイトとして2021年にPAUL&JOEの自社ストアをリリース。
Shopify Plus導入の理由
1,成長フェーズに合わせて柔軟に拡張できる
2,コストを抑えられる
3,ファンの大好きな限定商品を安心して購入できる。
4,多くの社内スタッフにECに関わってもらいたい
5,少人数での運営=更新タイミング(ローンチパッド)
運用初期の課題とその解決策
社内へのノウハウ展開方法
最初は、StoreHeroから榊原氏に個別に深くレクチャーを行い、榊原さん自身にShopify運営に詳しくなっていただき、その知見を社内で勉強会や定例MTGを通じて展開して定着していった。
配送・オペレーションの効率化
Shopifyと倉庫との連携や注文キャンセルのオペレーションを、最初はあえて手動で行っていた。仕組みや業務の流れを覚えたかったため、最初から自動化せず、あえてマニュアル運用を残した。
Step2 CRM・接客機能の充実
オンライン上でも店舗と同じように、価格以上の付加価値を提供しブランドのファンが集まる場所にしていきたいと考えた。StoreHeroの得意分野である、『ただ集客するのではなくブランドを好きなお客様=ロイヤル顧客の理解度を深めることでお客様を増やしていきましょう』という提案で進めていくことになった。
実店舗体験のオンライン化や顧客体験向上の取り組み
榊原氏はEC運営の中で『ブランドECに訪れるお客様は、EC上でも“接客”を求めている』と気づいた。
EC部門立ち上げにあたって担当者になる人を100人以上面接をする中で、システムやEC運営に精通している人が行うスムーズな運営以上に、ブランド愛が強くお客様へのおもてなし力のあるメンバーを配置しなければならないと気づき、既存社員をEC人材として育成する道を選んだ。
店舗での接客体験をONLINEでも実現したい
コスメ商品を扱っているので、お客様は自分に合った商品はどれかということに悩みやすい。そこで、オンライン上でも店舗で相談するような体験ができるように、カメラで自分を写すとその人の肌色にマッチする商品を提案してくれるシステムを導入した。
リアルタイムなコミュニケーション
ロイヤルなお客様は、店舗でスタッフとのおしゃべりを楽しんでいる。オンライでも同様の体験を提供したいということで、オンライン接客のチャネルトークを導入した。
ロイヤル顧客のインサイトと動きをモニタリング
購入額別の顧客ランクとエンゲージメントで顧客をセグメント化し、そのデータを元にどんな顧客がロイヤル顧客になりやすいのかを把握し、広告やメルマガの切り口、オンライン接客などに活用していった。
CRM・オンライン接客の継続的改善
ロイヤル顧客の動きをモニタリングしながら、運用しているメールやチャットのシナリオを継続的に改善し、ロイヤル顧客に育てる施策を行った。
顧客とのつながりに焦点を当てるデータ分析を行なっていると、ブランドを好きなお客様にもっと喜んでいただく、長く好きでいていただくための思想が湧いてきた。
そういった取り組みの結果、毎年リピート購入者数が増加し、ほとんどの顧客ランクでリピーターの割合が高くなり続けている。
Step3 ロイヤル顧客化
3年ぶりにオンラインストアをリニューアルした。顧客のインサイトデータから、商品やコンテンツのレコメンドを行えるようにし、よりロイヤル顧客が買い物しやすいストアへ進化させた。
広告でのロイヤル顧客データの活用
広告代理店様とも連携し、ロイヤル顧客データとGoogle・Meta広告とのオーディエンスデータ連携や、ロイヤル顧客にとっての人気商品を優先配信などの施策にとも取り組んでいく予定。集客段階から、ファンの集まりやすいストアに育てることができるようになる。
実店舗とオンラインの現状の評価
まだ、実店舗に劣る部分はあるが、いずれ実店舗に迫り、超えるオンラインでの体験を創っていきたい。また、顧客ロイヤルティを高めて、世界中にブランドを好きと思っていただけるお客様とのつながりを深める運営を今後も行なっていく。
運営側として学んだ教訓とアドバイス
- 自社商品の販売は「自社」で運営
- 店舗でのロジックはオンラインでは通用しない
- 常に進化し続ける
- お任せではなく「並走」してくれるパートナーが重要
まとめ
株式会社アルビオンの榊原様と一緒にShopifyでのオンラインストア立ち上げから軌道にのるまでの軌跡とtipsをご紹介させて頂きました。ECストア運営を行なったことのない企業様にも役に立つ情報がつまっている回でしたので、参考にして頂けますと嬉しいです。
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