今回ご登場いただくのは、株式会社ワンピースのコンテンツ事業部を統括する田渕氏と、同部署でUI/UXチームを担当する水谷氏です。同社は40代〜60代のミセス層に向けたレディースアパレル5ブランドを展開。楽天やZOZOなどのモールを主戦場としながら、Shopifyでの自社ECを「ファンを育てる場所」と明確に位置づけ、コミュニティとコンテンツを軸に独自の成長を遂げています。
会社の規模拡大に伴い昨年新設されたコンテンツ事業部は、「マーケティング」「リアルコンテンツ」「UI/UX」の3チームで構成。各ブランドとの連携窓口となり、販促施策の立案から実行、売上改善のディレクションまでを横断的に担っています。コミュニティや対話を通じてファンの熱量を高め、売上を蓄積していく成長戦略と、StoreHeroとの取り組みについて伺いました。

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モールは「商品」から、Shopifyは「コンテンツ」から
黒瀬: まず、ワンピース様の事業内容について教えてください。
水谷様: 弊社はレディースアパレルを中心に5つのブランドを展開しています。主力ブランドの「CAWAII(カワイイ)」は、旅行やお友達とのお出かけなど特別な日に着たくなる、少し個性的で華やかな洋服が特徴です。一方「Ehre style(エーレスタイル)」は、働く40代のお母さんがビジネスでも子供の行事でも使える服を展開するなど、ブランドごとに個性が異なります。共通しているのは、体型カバーを重視しながら他と被らないデザイン性を持つこと。ターゲットは40代から60代の女性です。
黒瀬: 楽天などのモールにも出店されている中で、自社ECにも積極的に取り組まれていますね。それぞれどのような位置づけで運営されているのでしょうか?
田渕様: 楽天やYahoo!、ZOZOといったモールは商品から入っていく世界です。ランキングや検索で商品を見つけて、比較して買う。一方、Shopifyの自社ECはコンテンツから入っていく世界として位置づけています。特集や読み物を通じて商品と出会い、ブランドの世界観に共感していただく。リピーターやファンを育てていく場所にしたいという、明確な意志を持って運営しています。
黒瀬: 運営体制としてはどのように回されているのでしょうか?
田渕様: 私たちのチームが全社横断の販促、つまりCRMや広告、ブランドを跨いだミックスコーディネートなどをディレクションしています。一方、各ブランドは独立して商品登録や固有のコンテンツ制作を行っています。この「横断と独立」のバランスが、スピード感あるコンテンツ制作と全体の統一性を両立させている鍵だと思います。

「探せない」から始まった大規模リニューアル
黒瀬: Shopifyサイトのリニューアルに踏み切った背景を教えてください。
水谷様: 1年半ほど前、お客様から「商品がうまく探せない」という声が多く寄せられていました。例えばスカートを探しているのに、スカートとコーディネートするインナーが検索に引っかかってしまうなどです。当初は細々直す予定でしたが、要望があまりに多くて、土台から作り直そうということになりました。
黒瀬: リニューアルで最も意識したポイントを教えてください。
田渕様: 「買いやすく、分かりやすく」。これを合言葉のように常に意識しました。弊社のお客様はネット通販に不慣れな方も多いので,運営メンバーの感覚ではなく、常にお客様目線で「これで本当に分かるか?」を問い続けました。
もう一つの大きな課題は、5ブランドの個性とサイト全体の統一感の両立でした。以前はブランドごとに独自にページを作っており、コーディングできるブランドとコーディングできないブランドで表現力に差がありました。画像サイズもバラバラ、カテゴリー分けも統一されておらず、お客様がブランドを横断して買い物しようとすると「あのページはどこ?」と迷い離脱につながっていました。
水谷様: リニューアルでは、ページ上部の見た目は全ブランドで統一しつつ、下部の構成や画像などは各ブランドが自由に変更して個性を出せるように仕組み化しました。事前に全ブランドから要望を聞き出し、Instagramやライブ配信の埋め込みなどを共通の部品として用意した上で、表示・非表示は自由に選べるようにしました。統一感を保ちながら、各ブランドの世界観を表現できる仕組みです。

コンテンツが広告より効率的に顧客を獲得
黒瀬: コンテンツの企画・運営について詳しく聞かせてください。
水谷様: 各ブランドにコンテンツ担当者がいて、それぞれが裁量権を持って制作しています。型にはまった商品ページだけでなく、各ブランドの個性で自由に表現していいというスタンスなので、現場のスタッフが楽しみながら様々なコンテンツをスピーディに生み出しています。お客様へのアンケートで悩みや要望を収集し、それを解決するコンテンツを作るのが基本的な流れです。
黒瀬: コンテンツの売上への貢献はいかがでしょうか?
田渕様: 実は以前は、コンテンツを作ってもなかなか売上に直結しない悩みがありました。それが変わったのが、StoreHeroさんの提案で作ったコンテンツにMeta広告から着地させるようにしたことです。商品を直接広告に出したときの獲得単価(CPA)と比べてコンテンツ経由では40%程度低く抑えられました。お客様の悩みに寄り添った内容だからこそ、広告としても自然に響くのだと思います。
メルマガも非常に反響が高く、ブランド独自のセグメント配信と横断チームからの全体配信を合わせて1日複数回配信することもあるほど、配信スケジュールが渋滞するほどです。訪れるたびに新しい情報がある状態を作れているので、リピーター率は非常に高くなってきています。

等身大のスタッフが「ファン」をつくる
黒瀬: 顧客との「熱狂」を生むために意識されていることはありますか?
田渕様: スタッフを前面に出すことは意識しています。Shopify移行後、スタッフが「スナップ」等のコンテンツに等身大の姿で登場するようになりました。モデルではなく、同じ年代・同じ体型の悩みを共有できるスタッフだからこそ、お客様が「この人のコーディネートなら私にも似合うかも」と共感してくださる。実際にスタッフにファンがつき始めていて、「この人が着ているなら買いたい」という声が増えています。

危機感から生まれた「共創」のコミュニティ
黒瀬: コミュニティ作りにも積極的に取り組まれていますよね。
田渕様: 実は約10年前、社長は「お茶会」などでお客様と会う場を大切にしていたんです。でもそれがコロナ禍もあり、一時なくなり、気がついたら「どこで買ってもいい、浮気しやすいブランド」になってしまっていました。その強い危機感から1年半ほど前に「原点回帰」を決意し、再びファンづくりやリアルなつながりを全社で重視するようになりました。
SNSのコメント欄でお客様と直接会話し、20周年パーティーなどリアルイベントも開催しています。特に嬉しいのは、お客様の声から実際に商品が生まれていることです。「レーススカート」など、コミュニティの声をもとに企画した商品は、やはり反響が大きいです。「自分の意見が形になった」とお客様が喜んでくださるし、その商品への思い入れは当然強いです。
黒瀬: まさにお客様との「共創」ですね。
田渕様: おっしゃる通りです。こうした一つひとつの取り組みが熱量を生み、熱量がファンを増やし、ファンが売上を積み上げていく。このサイクルこそが、モールにはない自社ECの最大の価値です。
「震えるほど感動した」StoreHeroとの出会い
黒瀬: StoreHeroとの取り組みで、特に印象に残っていることを教えてください。
田渕様: パートナー探しの際、会社からは「3年後に売上3倍」という大きな目標を設定されていました。その目標に対して、StoreHeroさんがデータに基づいた具体的で熱い提案をしてくれた。正直、震えるほど感動しました。「この人たちと一緒にやりたい」と、すぐに強く思ったのを覚えています。
黒瀬: 具体的にどのような成果が出ていますか?
水谷様: リニューアルでは、膨大な要望を予算内で現実的に着地できるよう整理・進行してくれました。運用面では、以前バラバラだったCRM・広告・コンテンツの全体最適化が実現しました。スーツの需要期に売上が思ったほど伸びなかった時も、StoreHeroさんの提案でコンテンツを活用した施策を実施し、前年を大きく上回る結果が出ました。
何より嬉しいのは、自分たちでは気づけない課題を可視化してくれることと,アドバイスだけでなく,リリースに近いところまで持っていってくれるので、ブランド側も売れるならやるとすぐ動いてくれます。この好循環の結果、厳しいと感じていた目標を大きく超えた成長を達成しています。現場も面白くなってきたと活気づいています。
黒瀬: StoreHeroとのコミュニケーションについてはいかがですか?
水谷様: 私たちとStoreHeroさんの間には、当然ながらECやマーケティングの知識の差があります。でもStoreHeroさんは分かる前提で話すのではなく、常に分かりやすく説明してくれる。理解した上で施策を進められるから、質も上がっていくんです。今後も同じように、StoreHeroさんが持っている施策の知識を分かりやすく教えていただきたいですね。
ファン経済を加速させる、これからの挑戦
黒瀬: 今後の展望について教えてください。
田渕様: リニューアルが完了したことで、社内の議論がUI/UXの課題から次に何をやるかに完全にシフトしました。UXをやりきったことで集中力が高まり、攻めの議論ができるようになりました。ここからが本当の勝負です。
まず、YouTubeへの本格参入。ミセス層はSNSよりもYouTubeの利用率が高く、まだ手をつけられていない領域なので大きな伸びしろがあります。次に、ファン化を促進するランク制度の導入です。購入を重ねるほど特典が増える仕組みで、モールとの明確な差別化と1回限りで終わらないファンベースの成長を目指します。そしてShopify Collabsを活用したインフルエンサー施策や、スタッフにファンをつける取り組みもさらに強化していきます。
黒瀬: コミュニティを起点にファン経済を加速させるワンピース様。その挑戦をStoreHeroとしてもしっかり伴走してまいります。本日はありがとうございました。
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