1939年の創業以来、日本のバッグ・財布業界を牽引してきた株式会社プリンセストラヤ様。主力ブランドDakotaをはじめとする数々の人気ブランドを抱え、百貨店や専門店を中心に全国1,000以上の取引先との信頼関係を築いてきました。
その老舗企業が、なぜ今、自社ECの抜本的な改革に乗り出したのか。Shopifyへの移行、そしてStoreHeroとの伴走によって見えてきた新たな成長戦略について、EC責任者の佐藤様にお話を伺いました。

Contents
職人とデザイナーが対話する「工房」と、お客様の声から生まれる機能美
——まず、プリンセストラヤ様が大切にされているものづくりの精神について教えてください。
佐藤氏:当社のこだわりは、本社の2階にバッグスタジオという工房を構え、デザイナーと職人が目の届くところでものづくりをしている点にあります。
一般的なバッグ企業ではデザイナーを外注することも多いですが、当社は昔からデザイナーを正社員として雇用しています。これによりデザイナーのスキルやノウハウが社内に蓄積され、職人と密に会話しながらポケットの位置を数センチ下げたいといった微調整を、納得がいくまでその場で繰り返すことができます。このプロセスが、製品のクオリティを担保する鍵となっています。
また、全国1,000以上の取引先を通じて、店舗スタッフから使いにくい、重いといった不満も含めたリアルな声が膨大に集まってきます。それらをデザイナーが真摯に受け止め、改善を何十年も積み重ねてきました。この絶え間ない試行錯誤が、品質と使い勝手の根幹を支えています。

なぜ「親子三代」に愛されるのか。信頼を支える4つの循環
——主力ブランドのDakotaはまもなく60周年を迎えます。親子三代にわたってファンに支持される理由はどこにあるとお考えですか?
佐藤氏:お客様からおばあちゃん、お母さんも持っていたというお声をいただけるのは、長年大切にしてきた4つの要素がサイクルとなって回っているからだと考えています。
まず1つ目は、85年以上積み重ねてきた実直な商売です。当社は基盤として実直に商売をするという姿勢を何よりも大切にしてきました。百貨店様や専門店様との間で、長年にわたり信頼関係を築き上げてきた歴史があり、その嘘のない誠実な姿勢が製品に現れているからこそ、三世代という長い年月の間、お客様に選び続けていただけているのだと感じています。
2つ目は、高い品質と手に取りやすい価格の両立です。1,000以上の取引先があり、生産ロットをまとめて確保できる強みがあります。3つ目は、全国1,000店舗から届く膨大なフィードバック。そして4つ目が、それらを反映したデザイナーによる真摯な改善です。集まった声をデザイナーが受け止め、ポケットの位置やジッパーの配置などの細かな機能改善を何十年も積み重ねてきました。
毎シーズン多くの新商品を世に送り出し、その結果が売上やお客様の声としてダイレクトに返ってくる。この試行錯誤の積み重ねこそが、単なる消耗品ではない、愛着を持って共に時を刻むパートナーとしての価値を生んでいるのだと感じています。

ブランドの「想い」を深く掘り起こすStoreHeroの支援
——StoreHeroとの取り組みにおいて、他の支援会社との違いをどこに感じていますか?
佐藤氏:当社の歴史や実直なものづくりという背景まで深く理解した上で支援してくれる点にあります。
取り組みの当初、ブランドの成り立ちや課題について、非常に時間をかけてヒアリングしていただきました。当社はDakotaをはじめ複数のブランドを展開していますが、StoreHeroさんはそれぞれのブランドについて複数回にわたるヒアリングを実施してくれました。MDの想い、制作の舞台裏、デザインの意図、素材へのこだわりなど,表に出にくい部分まで丁寧に吸い上げてくださったのは、本当にありがたかったですね。
EC領域でブランドの想いを深く理解しながら、かつ直面している課題に沿って運営を続けることは非常に難しいのですが、StoreHeroさんは当社の背景をしっかりと汲み取った上で、一緒に試行錯誤してくださっています。また、Shopifyの機能やシステム関連のレスポンスが非常に早く、施策をスピード感をもって進められる点も大きな助けになっています。
——その深いヒアリングは、具体的にどのような場面で活きているのでしょうか。
佐藤氏:たとえばCRMの領域で大きく活きています。ヒアリングで得た情報をもとに、シナリオメールの内容を見直しました。単に購入や会員登録のお礼を伝えるだけではなく、ブランドがどういう想いで製品をつくっているか、素材や製法へのこだわりが伝わる内容に刷新したんです。
当社の製品は、手に取って使い込むほどに革の風合いが変わり、愛着が湧くものです。そうした背景をお客様に最初の接点で届けることで、ブランドとの関係性が一歩深まる。StoreHeroさんが当社のものづくりを本質的に理解してくれているからこそ、表面的ではない、共感を呼ぶコミュニケーションを一緒に設計できていると感じています。
広告運用の開始と、社内に生まれた動画作成への動き
——広告面ではどのような変化がありましたか?
佐藤氏:当社はこれまでMeta広告を本格的に実施していなかったのですが、StoreHeroさんは当社のブランドの歩みや世界観を丁寧に理解してくださった上で、Meta広告とGoogle広告の両方について、初期設定から運用まで一貫して支援してくれています。
ただ、広告を始めた当初は適切な動画素材がなかったんです。StoreHeroさんのブランド理解があったからこそ、まずは過去に制作した動画やInstagramのリール素材の中から広告としても機能するものを的確に見極めて配信してくれました。当社がこれまで大切にしてきた歴史やビジネススタイル、そして実直なものづくりへのこだわりを熟知しているからこそ、膨大な既存素材の中からブランドの世界観を損なわないものを選べたのだと思います。
——広告成果が組織にも変化をもたらしたと聞きましたが。
佐藤氏:広告で動画クリエイティブの効果がデータで証明されたことで、社内でも動画の重要性への理解が深まり、動画を作ろうという動きが生まれました。
もともと当社には動画制作のノウハウが十分にあったわけではありません。しかし、StoreHeroさんと一緒にデータを見ながら成果を積み上げてきた経験があったからこそ、社内でも自分たちで動画をつくっていこうという機運が生まれました。外部への依存だけでなく、インハウスで制作しようという動きが出てきたことは、今後のEC展開において非常に大きな一歩になると思っています。

老舗企業ならではの壁を、一緒に越える
——歴史ある企業ならではの難しさはありましたか?
佐藤氏:正直に申し上げると、デジタル広告に対する社内の理解を得ることは簡単ではありませんでした。85年以上の歴史がありますから、これまでのやり方に対する信頼が強く、デジタル領域への投資に対して慎重な見方をする声もありました。
しかし,当社がなぜデジタルに取り組むべきなのか、それがブランドの価値を毀損するものではなく、むしろ当社の実直なものづくりの魅力をより多くのお客様に届けるための手段なのだ、という文脈を一緒に組み立てることができました。
StoreHeroさんは,当社の一員のように課題に向き合ってくれるパートナーだと思っています。デジタルに不慣れな部分に対しても、寄り添いながら一緒に壁を越えてくれる。その姿勢があったからこそ、成果にまでつながっているのだと感じています。
今後の展望:全顧客接点でブランドのストーリーを届ける
——今後の展望について教えてください。
佐藤氏:これからは商品が良いだけでは売れない時代だと思っています。だからこそ、今後は広告による新規獲得だけでなく、サイト内の特集ページ、商品詳細ページ、などにもこのブランドストーリーを一貫して展開していきたいと考えています。
広告が新規のお客様を中心とした接点だとすれば、サイト内のコンテンツは、既に当社を知っているお客様や購入を検討中のお客様との接点です。革の良さや使い勝手のこだわりといった、ものづくりの背景にあるストーリーを、あらゆる接点で届けていきたい。やっぱりプリンセストラヤが良いと再認識していただけるようなコミュニケーションを、StoreHeroさんと共に目指していきたいと思っています。
StoreHeroさんとの取り組みを通じて、数字を見て改善するという文化が社内に少しずつ根づいてきました。動画チームも立ち上がり、デジタルに対する理解も広がっています。これからはその土台の上に、ブランドの世界観を一貫して発信し続ける仕組みをつくっていきたいですね。
——最後に、ECに取り組む企業様へメッセージをお願いします。
佐藤氏:まだ私たちも試行錯誤の真っ最中ですが、まずはやってみることが何より大事だと感じています。広告もSNSも、可能性があるものは素直に聞き、まずは試してみる。その結果を見て改善を繰り返す。この姿勢が、ECにおいても変化を生む一番の近道ではないでしょうか。
特に歴史ある企業の方に伝えたいのは、デジタルは伝統を否定するものではないということです。私たちの場合、デジタルに取り組むことで、むしろ自社のものづくりの良さを再発見できました。それを信頼できるパートナーと一緒に進められたことが、何より大きかったと思います。
——本日は貴重なお話をありがとうございました。
Shopify×グロース支援のお問い合わせ
StoreHeroでは、Shopify×グロースの専門チームが打ち手を爆増し売上を伸ばすShopify×グロース支援サービスを提供しています。
StoreHeroとShopify×グロースに取り組むことにご興味のある方はお問い合わせください。