私はShopifyストアのコンサルティングを行う際、購入率が高まり、リピート購入施策も安定してきたら、広告を強めていきます。
その際、並行して顧客単価を高めることができれば、広告の費用対効果が合いやすくなり、広告の打ち手が広がります。
そして、顧客単価を高める上で、アップセルは、有効な手法です。
今回はShopifyストアでアップセルを有効に活用する方法を紹介します。
StoreHeroでは独自グロースプラットフォームを活用し、マニュアル運用ではやりきれないきめ細かな運用や、施策の大量実施による事業成長を支援しています。
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Contents
アップセルとクロスセルの違い
アップセルとクロスセルの違いをご存知ですか?混同されがちですね。
アップセルは、購入商品や購入検討商品のよりアップグレード版を提案する販売手法です。一方、クロスセルは、購入商品や購入検討商品の関連する商品を提案する販売手法です。
こちらはiPhoneのページですが、iPhone SEを検討しているお客さんにiPhone 11 ProやiPhone 11 Pro Maxを提案するのがアップセルです。
一方、iPhoneを検討している人に一緒にスマホケースを提案するのがクロスセルです。
アップセルの売上インパクト
Predictive Intentが行った調査によると、アップセルは平均的に売上の4%に影響するのに比べて、クロスセルは平均的に売り上げの0.50%程度とのことです(参考:Upselling is 20 times more effective than cross-selling online)。
乱暴な言い方をすると、アップセルのほうがクロスセルより約20倍売上インパクトがあるということになります。
もちろん、施策が違うので、単純比較できないですが、クロスセルをやってるのにアップセルをやってなければやったほうが良いですね。
アップセルの重要ポイント
アップセルを設計する際、気をつける点をまとめてみます。
読んで頂くと分かりますが、ショップの店員さんが店舗で自然にやっていそうなことでもあります。店員さんに教えを請うと、良い改善案が出てきそうです。
提案する商品
さっきのiPhoneの例でもそうですが、関連性が高く、売れている商品をおすすめすることが大事です。
いくらアップグレード商品だからといって、人気のない商品を提案しても売れませんし、余計な検討をさせてCVRが悪くなる可能性もあります。
提案するタイミング
買おうという気持ちが強くなった時に提案すると良いと言われます。
具体的には、決済時、カート投入ボタンを押した時などでアップセルを仕掛けると受け入れてくれる率が高くなります。
後で紹介するアップセル用のShopify Appも、こういったタイミングでアップセルを仕掛けられます。
CVR(購入率)
CVRが低い場合は、アップセル施策を行う前に、まずCVRを高めることに集中した方が良いです。
低いCVRのままアップセルをしても、余計にCVRが下がってしまう可能性がありますし、施策が良かったかどうかの検証もしづらいです。
提案する商品数
アップセルとして提案する商品は、多くても3つまでにした方が良いと思います。多すぎると迷ってしまうためか、あまりうまくいかないです。
また、アップセルで提案する商品は、検討中の商品と比較しやすいものが良いです。
例えば、基本的に同じで、サイズ、スペック、デザイン、素材のうちのいくつかがよりアップグレードしているなどです。
下記はスーツケースのAWAYのアップセル画面です。サイズの違いとそれに伴う用途の違いが図を交えて分かりやすく説明されています。
価格差に気をつける
そもそもの値付けの話でもありますが、標準版の商品とアップグレード版とで、どれぐらい価格差を付けるかも重要です。
大きく価格差を付けた方がアップグレード版が魅力的に見えるケースと、あまり価格差がないほうが選ばれやすいケースとがあります。
仮説を立てつつも、実験してみたほうが良いと思います。
アップセル商品の見せ方
アップセル商品の見せ方ですが、高い理由を分かりやすく見せることも大事です。
Shopify Appでもアップセルができるものがありますが、アップセル提案時には商品画像、商品名、簡単な紹介文、価格ぐらいしか見せられないため、パッと見で分かりやすい商品がアップセルには適しています。
また、下記はDellのオプションサポートサービスの選択画面ですが、松竹梅の竹のように、高い商品と安い商品でおすすめ商品を挟むと、おすすめが選ばれやすくなります。
商品以外のアップセル
アップセルは商品以外でもできます。よくあるのは、下記のようなものです。
- 無償交換
- 無償修理
- カスタマイズ
AppleのAppleCareなどのアフターサービスが代表例です。
カスタマイズというのは、商品にオリジナルのデザインを入れたり、名前を入れたりするようなサービスです。
スーツケースのAWAYでは、スーツケースに取り付けるタグに名入れをするカスタマイズサービスでアップセルしています。
効果検証をする
アップセルがうまくいっているかどうかを検証して、ダメな場合は提案する商品や提案するタイミングを変えてみることも必要です。
アップセルのできるShopify Appではたいていレポート機能もありますので、効果が出ているかを確認しましょう。
Shopify Appを使ったアップセルの実践
Shopify Appを使えば簡単にアップセルを実装することができます。
Shopify App Storeで「Upsell」と検索するとたくさんアプリが出てきます。アプリによってできること、できないことがありますが、有名どころではBold UpsellやReConvert Upsell & Cross Sellなどがあります。
商品ページ
商品ページで有効なのは、カートに投入した瞬間にアップセルを提案する方法です。Bold Upsellでは、アップセルのトリガーとしてカート投入時(Add to Cart)が選べます。
実際の商品画面では下記のようなアップセル画面が表示されます。
そして、Replace Itemボタンを押すと、カートに投入する商品が元の商品ではなくアップグレード商品になります。Shopifyの開発をしたことある人ならおなじみのAjax APIを使った機能ですね(笑)
アップグレード商品は複数設定することができ、一つを断っても次の商品を出すことができます。例えば、コーヒーメーカーのアップグレードに失敗しても、コーヒー豆を提案するといった具合です。
提案時にどういった訴求をするかも大事です。画像は通常の商品画像から変えられませんが、商品名や説明文はアップセル用に作ることができますので、魅力が分かりやすく伝わる商品名やタイトルを付けましょう。
カートページ
Bold Upsellでは、商品ページと同様のことが、カートページでcheckoutボタンを押した時にも実装できます。
カートからチェックアウトに遷移するタイミングで、また商品ページと同じ提案をするのもうざがられますので、ラッピング、付属消耗品、保証(返品保証や無償修理など)を提案するのが良いでしょう。
Bold Upsellは高機能で、商品ページ同様、カートに入っている商品やその金額などにもとづいてアップセル提案を決められます。
サンキューページ
ReConvert Upsell & Cross Sellを使うと、購入完了直後にアップセルをすることができます。
設定方法としては、まず、サンキューページのテンプレートを作成します。
アップセル枠だけでなく、ディスカウントクーポンを表示したりなど、かなり柔軟に要素を使うことができますので、普通にサンキューページのページビルダーとしても使えます。
サンキューページのテンプレートは複数作ることができ、条件に応じて出し分ける事ができます。その条件を設定します。
アップセル提案したいお客さん向けのテンプレートと、値引き販売した方が良さそうなお客さん用でテンプレートを出し分けるなどが可能です。
「テンプレートを考えるのがめんどくさい!」という人のために、無料でテンプレートも使えるようになっています。
メール
購入後のメールでも、もちろんアップセルは可能です。
OmnisendやKlaviyo、Mailchimpなどのアプリで購入した商品に合わせて、アップセル商品を提案します。
メールでは、エントリー商品を買ったお客さんに対して、定期購入を提案したりすることも有効です。
購入後のメールは、レビューの依頼をしたり、メルマガやSNSアカウントのフォローに誘導したりと、やることが多いので、お互いの施策の邪魔にならないように気をつける必要があります。
StoreHeroを活用したクロスセル・アップセル運用の徹底実行
StoreHeroではShopifyで売上アップに課題を持つマーチャントさまに、グロース施策の徹底実行を支援しています。
クロスセル・アップセル運用についても、グロースプラットフォームStoreHeroを活用し、各商品・SKUのパフォーマンス・在庫データを活用しCRMやサイト内でのクロスセル・アップセル商品やオファーの自動最適化など、マニュアル運用では実現が難しいきめ細かな運用や、施策の大量実施により、継続的な成長実現の支援をしています。
現在、無料ストア診断を実施しています。クロスセル・アップセルやグロース施策全般に課題をお持ちの方はお問い合わせください。 無料ストア診断の詳細はこちら
まとめ
Shopifyストアでのアップセルのやり方について紹介しました。
全体的な購入率が改善してきて、広告の運用も軌道に乗ってきたら、アップセル施策が有効になるタイミングです。
Shopify Appを活用して、ぜひ、アップセルにチャレンジしてみてください。
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