Shopifyを活用して事業を継続的にグロースさせていくノウハウをゲストと参加者が共に学び合うを目的に月に一度開催しているGrowth Meetup。
9/3は、インバウンド戦略と海外クラウドファンディングという、EC事業の枠を超えたグローバルなテーマで2つのセッションをお届けしました。本レポートでは、主催者視点から当日の熱気あふれる模様を振り返ります。

第1部:「実店舗に訪れたインバウンド客を購買に導く方法」
最初のセッションでは、世界へボカン株式会社 代表取締役の徳田 祐希 様にご登壇いただきました。多くのインバウンド客が店舗を訪れるものの、購買に繋がっていないという課題に対し、デジタルを活用した具体的な解決策をお話しいただきました。
課題:商品の魅力が伝わらず、「なんとなく」で買われている
ご支援先では、多くの商品を扱っているにもかかわらず、インバウンド客は有名な商品しか購入しておらず、客単価の伸び悩みが課題でした。その原因は、商品の魅力や背景にあるストーリーを伝える「接客」が、言語の壁もあり不足していたことでした。
解決策:SNSを「動画を使った接客ツール」と捉える
そこで重要になるのが、Instagramのフォロワー数のような指標ではなく、「来店客の購買を後押しするコンテンツ」を作ることです。
主な取り組み
- チャレンジ動画の制作: 「日本一飲みにくいヨーグルト」など、エンターテイメント性のある動画で商品の話題性を創出し、来店動機に繋げました。
- インタビュー動画の活用: 実際に商品を購入した観光客の方にインタビューし、「失敗しないお土産選び」のリアルな声としてコンテンツ化しました。
- 店頭デジタルサイネージでの動画放映: 店頭で動画を流して通行人を引きつけ、さらに商品棚のQRコードから詳細動画へ誘導する仕組みを構築しました。
- データ分析によるコンテンツ改善: サイネージの視聴データを分析し、「誰が・何に・どれくらい興味を持ったか」を基にコンテンツを改善し続けました。
重要な心構え:「手段」ではなく「目的」から考える
このセッションで繰り返し強調されたのは、「施策が顧客の購買にどう繋がるか」を常に考えることの重要性です。流行りの手法ありきではなく、顧客を深く理解し、そこから逆算して施策を考えることが成功への近道であると締めくくられました。
第2部:「Kickstarterで売れる商品と売れない商品」
続く第2部では、株式会社Gaku 代表取締役の中村 岳人 様にご登壇いただき、海外クラウドファンディング「Kickstarter」の攻略法について、具体的な事例を交えて解説していただきました。
Kickstarterで成功する鍵とは?
Kickstarterは、「まだ世界で販売されていない新商品」でなければ掲載できないという、ユニークなルールを持つプラットフォームです。 このプラットフォームで成功するためには、「スタートダッシュ」が極めて重要とのこと。公開直後に多くの支援を集めることで、サイト内で「人気のプロジェクト」として注目され、さらなる支援を呼び込む好循環を生むことができます。
売れる商品と売れない商品の分岐点
中村様は、かつてガジェット製品で挑戦したものの、価格競争力で中国製品に勝てなかった経験から、「日本らしさ」を全面に出した伝統工芸品などに戦略をシフトし、成功を収められました。
「売れる」商品選定で重視する5つのポイント
- 見た目の日本らしさ: 一目で日本の文化やデザインを感じられるか。
- 日本ならではの技術: 製造背景に付加価値のあるストーリーがあるか。
- 海外の生活様式に合うか: 現地の住宅事情や体格にマッチしているか。
- 価格設定: 30,000円以下の選択肢が用意されているか。
- 配送のしやすさ: コンパクトで軽量か。
「日本でしか作れない・買えない」という価値をどう見極め、伝えていくかが成功の分岐点であることを、改めて学ばせていただきました。
まとめ
今回のGrowth Meetupでは、インバウンドと越境ECという2つのグローバルなテーマについて、具体的な成功事例から深く学ぶことができました。
一見すると異なる分野のようですが、両セッションに共通していたのは、製品の背景にある「ストーリー」を伝え、ターゲット顧客を深く理解することの重要性でした。インバウンド客の「失敗したくない」という心理に応えるコンテンツや、海外の支援者が求める「日本ならではの価値」を持つ商品選定など、いずれも顧客視点から戦略を組み立てることが成功の鍵であることを、改めて実感させられました。
今後もこのような有益な情報と繋がりの場を提供して、皆さまと共にShopify×グロースを探求してまいります。次回のイベントもぜひご期待ください。
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