クラウドファンディングから“売れ続ける”ECへ。Kibidango Storeが実践する、ニッチ商材の届け方

きびだんご様は,2013年の創業以来、国内・海外のユニークなプロダクトを同社のクラウドファンディングプラットフォームKibidangoを通じて日本市場へ届けてきた。数億円規模のプロジェクトを数々作ってきた同社は、2020年にShopifyを活用した自示EC「Kibidango Store」を立ち上げ、クラウドファンディングで実績を作った商品を継続的に販売するEC事業の拡大に取り組んでいる。

「クラウドファンディングで売れたものが、そのままECで売れるとは限らない」——その壁をどう乗り越えてきたのか。代表の松崎氏と、EC事業部マネージャーの廣田氏にStoreHeroとの取り組みを含めた成長の軌跡を伺った。

銀行員から楽天、そしてクラウドファンディングの世界へ

——まず、きびだんご様の事業について教えてください。

松崎氏:私はもともと銀行員を8年ほどやった後、社員がまだ100人もいない頃の楽天に入社して11年勤務しました。M&Aや経営企画など、楽天市場周辺の環境を整える業務に携わっていました。スタートアップや小さい会社を大きくすることに魅力を感じていたのですが、楽天が大きくなるにつれて、自分が貢献できることが少なくなってきたと感じていました。それで2011年に退社してフリーランスになりました。

1人でできることには限界があると感じていた時に、Kickstarterを知ってファンになりました。クリエイターとそれを応援する人をつなぐという仕組みに心を動かされて、これを日本でもやりたいと思い、2012年にKickstarterの創業者のところへ直接会いに行きました。

日本での展開や、プロジェクト終了後にEC販売を組み合わせるモデルを提案したのですが、当時は国際展開の優先順位が低いということで断られてしまいました。ただ、Kickstarterの創業者たちに、自分でやればいいんだということに気づかされ,仲間を集めて1年かけて、2013年にきびだんごを立ち上げました。

事業としては大きく3つの柱があります。まずクラウドファンディング。次にクラウドファンディングで成功した商品をECで継続販売すること。そして最近増えているのが、海外メーカーの面白い商品を見つけて日本に紹介する輸入販売代理やコンサルティングです。

EC事業のKibidango Storeは2020年に立ち上げました。クラウドファンディング開始の2013年から7年越しのスタートでしたが、メーカーさんからプロジェクト後も売り続けてほしいという声をいただいたのがきっかけです。

代表の松崎様はクラウドファンディングに魅せられてきびだんごを創業

廣田氏:私は2021年にきびだんごに入社しました。最初はクラウドファンディング事業部の制作部門で、海外プロジェクトの商品ページを作成していたのですが、長期的な事業成長に興味が出てきて、EC事業部へ異動しました。現在はEC事業部のマネージャーとして、ECに関わるディレクションと実行を一通り担当しています。

「オール・オア・ナッシング」で7,900万円。Kibidangoらしいプロジェクトとは

——他のクラウドファンディングプラットフォームと比べて、Kibidangoさんならではの特徴はありますか?

松崎氏:我々は、目標金額に達しなければ成立しないオール・オア・ナッシング方式にこだわっています。目標を低く設定して確実に達成するやり方もありますが、我々はそこから逃げません。プロジェクトオーナーが本気で挑戦するなら、我々も全力で応援する。そのスタンスが結果的にKibidangoの色になっていると思います。

象徴的なのがInstaChord(インスタコード)という新しい楽器のプロジェクトです。ボタンを押すだけでコードが弾けるという画期的な商品なのですが、他のクラウドファンディングプラットフォームでは5,000万円の目標は無茶だと断られた案件でした。でも、開発者の熱意を見て我々が引き受けて全力で取り組んだ結果、7,900万円を集める大成功になりました。

他にも、新しいアイウェアのViXion01が4億2,500万円、80年代のレトロPCのミニチュア復刻版の#X68000 Zで3億5,000万円などがあります。

——それだけの金額が集まる要因は何でしょうか?

松崎氏:プロジェクトや商品そのものに、ワクワクしてくれる仲間がいるかどうかです。レトロPCの例でいうと、当時そのパソコンに憧れていた世代がSNSで盛り上がって、共感がどんどん広がっていきました。熱量を持った人たちが自発的に拡散してくれることが、クラウドファンディング成功の大きな原動力になります。

もうひとつ大事なのが、海外のプロジェクトを日本で展開するときに、単に英語を翻訳するのではなく、日本の文脈に合わせてクリエイティブを作り直すことです。

DraftTopというビール缶の蓋を全部開けられるオープナーのプロジェクトでは、アメリカのビジュアルをそのまま使わず、クラフトビールの香りが引き立つという切り口で日本市場向けに再構成しました。結果、約5,600万円を集めることができました。日本のお客様に刺さるポイントを見極めて、訴求を再定義するのが我々の強みです。

KickstarterのDraft Top

KibidangoのDraft Top

拡張性とスピードを重視し、Shopifyを採用

——Shopifyを導入された経緯を教えてください。

松崎氏:2020年9月にKibidango StoreとしてShopifyを使い始めました。当時はできるだけ早くECショップを立ち上げることが戦略上の最優先事項でした。自社のクラウドファンディングプラットフォームにEC機能を組み込む選択肢もあったのですが、そうするとどうしてもカスタマイズに時間がかかるし、できることも限られてしまう。拡張性の高さ、立ち上げのスピード、ブランディングの自由度を考えてShopifyを採用しました。

Kibidango Store

——クラウドファンディングで成功した商品をECで売る際の難しさはありますか?

廣田氏:クラウドファンディングで売れたものがそのままECで売れるかというと、必ずしもそうではありません。クラウドファンディングのお客様は新しいものへの好奇心が強く、まだ世に出ていないものを応援したいという方が多いのですが、ECのお客様はどちらかというと安心感を求めています。一般のお店で買うのと同じ期待値を持たれているので、販売後のサポートもより重要になります。

広告クリエイティブの面でも違いがあります。クラウドファンディングでは新しい体験を訴求する表現が刺さりますが、ECでは再入荷しましたとか、○○個売れましたのように、数字で安心感を伝えるアプローチのほうが成果が出ました。

また、ECでは在庫を仕入れる必要があるため、最初から大量に仕入れるわけにはいかない。少量で始めて、売れてきたら追加発注するという慎重なアプローチで進めています。

StoreHeroとの出会いで、様々な壁を突破

——StoreHeroにお問い合わせいただく前、どんな課題を抱えていましたか?

廣田氏:一番大きかったのは、Meta広告やGoogle広告の計測がShopifyとうまく連携できていなかったことです。広告を出しても、どの広告がどれだけ売上に貢献しているのかが正確に把握できない状態で、改善しようにも何が原因なのか分からず手詰まりでした。在庫管理や社内のマニュアルも整っていなかったですし、テーマも古いバージョンのままで、施策を打とうにもそもそも基盤が整っていない状況だったんです。

——最初にどのあたりから手をつけたのでしょうか?

廣田氏:まずStoreHeroさんに広告計測の連携を正しく設定し直していただきました。これでようやく広告のパフォーマンスが正確に見えるようになって、どこに投資すべきかの判断ができるようになりました。同時にテーマの入れ替えも進めていただいて、サイトの表示速度やデザインの自由度が大きく改善しました。

この基盤整備の段階があったからこそ、その後のCRMやアフィリエイトといった施策に取り組める状態になったのが大きかったです。いきなり施策をやろうとしても、計測ができていなければ効果も分からないですし、テーマが古ければ施策を実装すること自体が難しい。まず土台を整えるという順序が正しかったと思います。

EC事業部マネージャー廣田美紅様

——基盤が整った後、特に成果を感じた施策は何でしょうか?

廣田氏:一番成果を感じているのは、CRM、特にメルマガ配信です。以前は月1回程度で、正直あまり力を入れていませんでした。StoreHeroさんと取り組む中で配信回数を増やしていって、例えば12月には週3回配信したところ、売上がはっきり連動して上がったんです。メルマガってこんなに効くんだという気づきがありました。

工夫しているのは、同じ商品でもいろいろな角度から伝えることです。1つの商品を使い方やデザイン、ギフトなど複数の切り口で紹介すると、同じ商品でもまたクリックしたくなるんですよね。同じことを繰り返すのではなく、毎回新しい視点を入れるようにしています。我々の商品はニッチなものが多いので、1つの切り口だけでは届かない層にも、別の角度から光を当てることでリーチできるようになる。この多角的なアプローチはStoreHeroさんと一緒に試行錯誤する中で見えてきた方法です。

サイト上でも商品を様々な角度で紹介

アフィリエイター・クリエイターとの連携が新しい認知を作っている

——アフィリエイターとの連携にも取り組まれていますね。

廣田氏:はい、これも大きな施策のひとつです。我々の商品はニッチで高単価なものが多いので、広告だけでは商品の魅力を十分に伝えきれないという課題がありました。StoreHeroさんからアフィリエイターの活用を提案いただいて、商品を詳しく紹介してくれるアフィリエイターさんとの連携を始めました。

しっかりした記事で紹介してもらえると、お客様にとって購入の安心材料になります。ニッチな商品ほど、使ったことがある第三者の声が信頼につながるんです。広告はどうしても売り手目線になりますが、アフィリエイターさんの記事は使い手目線で書かれているので、お客様が実際の使用感をイメージしやすい。特に高単価の商品では、この安心感が購入の後押しになっていると実感しています。

多くのアフィリエイターとストアを盛り上げている

——AIの活用にも取り組まれていますね。

廣田氏:はい、AIを使ってコンテンツを充実させる取り組みを始めています。ただ、商品が面白くても、AIにうまく伝えないと一般的な文章になってしまうのが難しいところです。

—— AIを賢くするには、人間の感性で何がダメなのかを言葉にして伝えるプロセスが大事ですね。AIが作ったコンテンツを見ておかしいなと感じることがあれば、どこがどうダメなのかを言語化してAIにフィードバックしていくと、AIの出力も良くなっていきます。職人的な知識をどれだけ言語化できるかが、AI時代の競争力になりますので一緒に取り組んでいきましょう。

クラウドファンディングで世界へ

——最後に、今後の展望をお聞かせください。

廣田氏:Kibidango Storeとしては、しっかりとした年間計画を立てて,計画から逆算して動けるようにしていきたいです。

Kibidango Storeはさまざまなジャンルの商品を扱っているので、どの商品に注力するのか、主力商品をどう育てるのかを明確にしていきたいと思っています。今はどうしても目の前の商品対応に追われてしまっているので、年間の予算を設定して、広告費の配分やオーガニック施策の設計を計画的に行う。そこから逆算して月次の数字を達成できる体制を作っていくのが、次のステップだと考えています。

松崎氏:これまでは海外から日本へという流れが中心でしたが、今後は日本発のプロジェクトを海外へ紹介する取り組みにチャレンジしていきたいです。

Kibidangoには台湾やアメリカなど各国にパートナーがいるので、そのネットワークを活かして海外でのEC展開も進めていきたいと考えています。日本で支援してきたメーカーさんの中には、海外にも需要がある商品がたくさんある。日本のものづくりを世界に届ける架け橋になれたらいいなと思っています。

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