コマース事業において倉庫・物流が重要なことは言うまでもありません。その倉庫・物流も、日進月歩で技術の進化が起きています。
少し前になりますが、佐川グローバルロジスティクス様にご招待いただき、次世代型大規模物流センター「Xフロンティア」の見学をさせていただきました。
今回は、ECとは切り離すことのできない倉庫の最新事情と、「Xフロンティア」の中身について見ていきたいと思います。
倉庫技術の進化
倉庫の自動化がさまざまなところで進んでいます。
自動化によって、もちろん人件費が抑えられるという側面もありますが、倉庫の構造を人に合わせるのではなく、機械に合わせることでさまざまな効率化を実現できます。
Amazonが翌日配送が可能なのも、2012年に買収したKiva Systemsを始めとした、倉庫の自動化、効率化への投資の賜物なのだと思います。
ファーストリテイリング(ユニクロ)の2018年の発表によると、ダイフク社と協力して有明倉庫の自動化を進めた結果、以下のような結果が得られたそうです。とんでもない効率化ですね。
さて、そんな倉庫の自動化を支える技術を見ていきたいと思います。
保管
商品種類が多いECでは、売れる頻度が少ない商品、いわゆるロングテール商品があります。
そのような商品は、倉庫にはストックしておきたいけれど、頻繁に取り出すわけではないので、できるだけ場所を取らないで収納しておきたいものです。
Xフロンティアの5階で展開するシームレスECプラットフォームでは、そんな商品のために、空間をいっぱいまで使って、機械だから出し入れできるような高効率の収納を行なっていました。
こちらを上から見るとこのようになっていました。
こちらの商品は、以下のように出てくるそうです(デモで空のまま動かしてもらいました)
自動搬送
倉庫からの出庫のイメージといえば、商品を収納されている棚まで人が取りに行き、それを必要な場所まで届けに行くことですよね。現地で教えてもらった話でも、自動化の前は、倉庫内の人の作業はほとんどが歩き回ることだったそうです。
しかし、時代は変わりました。
人が行くのではなく、棚が来ます。荷物が動きます。これによって、人が歩く必要がなくなるのはもちろん、荷物の収納のやり方も、人にとってわかりやすい必要がなくなるので、保管効率が圧倒的に上がりますね。
現地では2種類の自動配送ロボットを見せていただきました。一つは、棚を持ってくるロボットです。
もう一つは、棚から取り出した荷物を設定した場所まで自立走行で搬送するロボットです。
動画にはありませんが、こちらは人と同じ通路を動くので、人を検知して避けたり止まったりしていました!
ピッキング
なかなか自動化が難しいのが商品のピッキングです。物によって大きさも形も柔らかさも違うので、一個一個扱いが全く違います。
Mujinという日本の会社は、ロボットに自ら学習させることで、それぞれの商品を適切にピッキングできるようにする技術を提供している会社です。筆者も学生の時に会社を見学させてもらいました。
広い場所が欲しいという理由で、一個の倉庫をぶち抜いてオフィスを作っており、ロボットアームがさまざまな商品をピッキングしている様子を見ることができました。最近ではファーストリテイリングと提携して、ユニクロの倉庫自動化も行なっているそうです。
梱包
ピッキングと同じ問題ですが、商品の大きさはバラバラですので、梱包する段ボールもその種類分用意する必要がありそうです。
しかし、そもそも商品によって最適なサイズは全て異なる上、それぞれの商品がどの大きさの段ボールに入れるべきかの判断も毎回するのは大変です。
現地で見せてもらった技術はこれらを丸っと解決します。解決方法としては、商品の大きさを自動で判別した上で、巨大な段ボール用紙からその場で段ボール箱を作るというものです。下の動画を見てもらうのが一番わかりやすいかと思います。
完成品はこのようになります。普通のダンボール箱よりも頑丈でした。
出庫
見学させてもらった時は見れなかったのですが、ベルトコンベアを伝って、トラックまで梱包された商品が配送されるそうです。建物自体が、スムーズに荷物をトラックまで運べるような構造になっているようでした。
このような様々な効率化の結果、Xフロンティアですと、23区内では、、同施設内の佐川急便中継センターとの連携により、深夜に頼んでも最短でその日の午前中に届けることができるそうです。
考察
今回は、倉庫・物流の技術の進化と、それを実運用で活用する「Xフロンティア」について紹介させていただきました。
ECと倉庫・物流は密接な関係があります。まずはECで売上を伸ばす必要がありますが、その売上の伸びに倉庫や物流がついていけない場合、配送の遅延や混乱が発生し、販売を続けられなくなることもあります。最近も、物流の混乱により、大手ECサービスが空箱のみを配送してしまったというニュースがありました。
グロース施策と合わせて、どういった物流が必要となるかを検討する際、今回、紹介させていただいたような技術的な選択肢も検討に入れていくことが増えてきそうです。
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