ShopifyにはPublicアプリと呼ばれる複数のストアにインストールされるタイプのアプリケーションがあり、Publicアプリケーションを公開されたストアにインストールするためには、Shopifyによる公開審査のプロセスを経なければいけません。ここでは、Publicアプリの開発者の多くが通る道であるこの審査プロセスにおいて、事前に準備をしておかなければならない事項とよくあるミスをまとめました。
基本的な審査のプロセス
アプリの公開に必要なプロセスとしては、Shopify公式にてまとめられているこちらの記事が最も参考になると思います。基本的な流れは、
- パートナーダッシュボードのアプリ管理の画面から該当のアプリケーションをクリックする
- アプリのタイトル下にある「アプリのリスト」をクリックし、公開する際の言語(アプリを掲載するページの言語)をAdd translated listing.から選択する
- 記載された必要な項目を一つずつ埋めていく
- 保存し、App listingsのページに戻ってSubmit appをクリックする
- 必要な項目をクリアしているかチェックして正式に公開申請をする
- 数日の間にShopify側から送られてくるフィードバックを見て修正箇所の対応等を進める(審査に通った場合は、リスティングされるまで待機)
よくある審査不通過の理由
・認証プロセスが正しくない
アプリをインストールした際、どのプロセスよりも先に認証を通す必要があり、アプリを管理画面から削除・再インストールした場合も、初期のインストール時同様認証プロセスを経る必要があります。認証後のアプリ画面へのリダイレクト等を含め認証におけるエラーは、アプリの機能にかかわらず審査不通過の致命的な要因となります。
・アプリの説明が不十分
公開審査の申請をする際、リスティングの際に掲載される説明文が不十分であると判定された場合や理解しにくい文章であると判断された場合、スクリーンショットの数が不足していた場合なども審査を通過には内容が不十分であると判断されます。
・プロモーション用の動画がデモ動画になってしまっている
プロモーション用に動画を上げることができるようになっていますが、そこでスクリーンレコードなどを用いたデモを行ってしまっている場合、純粋なプロモーション用動画に変更する必要があります。
・アプリで使用しているより多くのAPIスコープを登録している
アプリでストアの情報を使用する際、必要となるAPIのスコープを登録しておく必要がありますが、実際にアプリ内で使用するよりも多くのスコープを登録している場合も修正を求められますので、必要最低限のスコープで申請するようにしましょう。
・マーチャントが直接テーマのコードを触る必要がある(テーマへのコード挿入が必須である)
アプリを使用するにあたってストアのテーマにコードを挿入する必要がある場合、容易にテーマへコードを追加できるよう十分な説明が必要となります。また最近では、基本的にマーチャントがテーマのコードを触らずともアプリ側で自動的にコードを挿入するような機能を持たせることが推奨されており、Online Store 2.0で導入されたapp extensionsを使用しているかどうかも審査プロセスにおける重要なチェック項目になっているかと思われます。Theme app extensionsについてはこちらの記事も参考にしてください!
・料金に対する情報が正確ではない
有料のアプリである場合、料金と実際にチャージされる金額が一致しているかどうか、アプリ内で記載している料金とリスティングの料金に差がないか、なども重要な審査項目となっています。
審査申請時に実際にミスしがちなポイント
ここでは、実際に審査の申請をしてみて、確認不足により発生したミスをご紹介します。
・GDPR必須のWebhookエンドポイントを登録し忘れていた
どのアプリケーションでも、パートナーダッシュボード上のアプリ管理画面からGDPR必須のWebhookエンドポイントを登録しておく必要があります。
これらのエンドポイントは、ただWebhookを受け取るためのURLではなく、Shopify側から送られてくるWebhookとして認識するためのhmacを使って認証処理をしている必要があります。詳しくは公式ドキュメントにまとめられていますが、Next.jsを使ったアプリケーションとして開発している場合にはShopifyが提供しているライブラリを使うのが便利かもしれません。
・アプリ内におけるアプリの使用方法に関する説明が不十分だった
アプリをインストールしたあと、マーチャントが簡単にアプリを使えるよう十分な説明が必要となります。例えばインストラクションやデモ動画をわかりやすいところに載せる、アプリの使用方法をまとめたページを作るなどの工夫が必要です。我々のアプリケーションでは、トップページのバナーにデモ動画へのリンクを記載するようにしました。
・認証後のリダイレクトに問題があった
埋め込みアプリとして登録していたのですが、認証プロセスが済んだ後、なぜか埋め込みでない画面になってしまったりリダイレクトがされないというエラーが発生してしまっていました。認証とその後のプロセスに関しては入念にテストすることをお勧めします。
・アプリとして登録しているロゴの画像に文字が入ってしまっていた
アプリのロゴとして登録する画像には文字を含めてはいけないというルールがあります。例えば以下の画像のような画像の場合、画像上部にあるStoreHeroの文字だけでなく、胸元にあるSHという文字も含めてはいけません。また、Shopify公式Twitchなどでは背景は白でなく、なるべく目立つ色を使うことが推奨されていました。
・アプリを導入することのメリットを十分に伝えられていなかった
アプリの紹介文では、このアプリをインストールすることでマーチャントが得られるメリットや、またどういったマーチャントに最適なのかといった情報が不足しており、アプリの機能に関して箇条書きで伝えるだけでは不十分でした。マーチャントが得られるメリットについて詳しい説明が必要であり、情報量も十分である必要があります。
・アプリレビューのインストラクションとしてデモ動画を含めていなかった
申請時にアプリをレビューしてもらう際、手順を記載する箇所がありますが、文章だけで伝えるよりデモ動画を含めるようにした方が良いようです。使用方法が単純である場合であっても、アプリのユーザージャーニーはデモ動画を見てもらう方がわかりやすく、レビューする側にとっても確認項目がわかりやすくなるため、デモ動画を含めた方が良いとのことでした。
・スクリーンショットにストア名が含まれてしまっていた
申請時に含めるスクリーンショットでは下記のようなバナーにあたる箇所を含めてしまうとストア名が公開されてしまうため、リスティング不可となります。スクリーンショットを載せる際、注意しましょう。
・App Bridgeのバージョンが古かった
申請するアプリがApp Bridgeを使用している場合、 バージョン2.0以上を使用している必要があります。これは審査の際ブラウザコンソールで確認が可能であるため、バージョンがマッチしていない場合、アップグレードを求められリスティング不可となります。バージョンを上げるにあたって動かなくなるコードもあるので、開発時から最新のバージョンを使用されることをお勧めします。
最後に注意すべきこと
いかがでしたでしょうか。公開アプリを開発している方にとっては、審査のプロセスが複雑で何度も修正を求められる方も少なくないのではと感じます。ただ、全ての項目は申請時に記載されている説明をよく読むこと、修正を求められた箇所を速やかに対処することでリスティングされるまでの時間は大幅に短縮できるのではと思います。
また、申請した後には審査結果を得るまで、アプリに変更を加えないようにするという点も注意すべきでしょう。アプリがレビューされている中でアプリに変更を加えた場合、一度得た審査結果に追加して変更を求められる可能性も高く、開発中に審査の申請をするのではなく、Production readyの状態で申請をするのがベストのようです。
今回はPublicアプリの公開審査プロセスについてご紹介させていただきました。開発したアプリがリスティングまでの道のりが少しでも短くなるよう、事前に注意すべき点を意識してより良いアプリがたくさん公開されると良いですね。
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