「こだわりの商品を揃え、世界観を大切にしたShopifyストアを運営しているのに、なぜか売上が伸び悩んでいる」
「ライフスタイル提案をしたいが、やり方が分からず、結局は単発の施策に終わってしまう」
アパレル、インテリア、生活雑貨など、作り手の想いがこもった商品を扱うストアの経営者や事業責任者の方から、このようなご相談をいただくことが少なくありません。
日々の運営業務に追われる中で、お客様への「提案」が属人的な感覚に頼ったものになったり、一過性のキャンペーンで終わってしまったりしていないでしょうか。もし、あなたが「提案力を高めたいが、どうすればいいか分からない」と感じているのであれば、この記事はきっとお役に立てるはずです。
この記事では、単発のヒット施策に頼るのではなく、お客様へのライフスタイル提案を「仕組み化」し、精度の高い提案コンテンツを資産として蓄積していくことで、事業を継続的に成長させる具体的な「グロースモデル」を紹介します。
読んでいただくと、ストアの「提案力」を高め、安定した成長軌道に乗せるための明確なロードマップを手に入れて頂けます。
Contents
なぜ「ライフスタイル提案」が資産にならないのか?
素敵な商品をセレクトし、魅力的なコンテンツを用意しているにも関わらず、なぜ多くのストアが成長の壁にぶつかってしまうのでしょうか。
それは、個々の商品やコンテンツが「点」で存在し、お客様に価値を届け、売上を最大化するための継続的な「提案プロセス」が構築できていないからです。
- 単発の施策で終わってしまう: シーズンの立ち上がりやイベントごとに施策を打つものの、その成果や知見が次に活かされず、ノウハウが蓄積されない。
- 提案が属人化している: 特定の担当者のセンスや感覚に依存しており、誰でも高いレベルで実行できる再現性のある打ち手を持てていない。
- 過去のコンテンツが埋もれてしまう: 一度作ったコンテンツが活用されず、常に新しいものを作り続けなければならない状態に陥っている。
これらの課題を解決する鍵が、これから紹介する「ライフスタイル提案グロースモデル」です。このモデルの本質は、次に紹介する運用プロセスを回し続けることで、精度の高い提案コンテンツがストアに蓄積され、結果として新規獲得効率やリピート購入率を高められる点にあります。
継続的成長を実現する「ライフスタイル提案グロースモデル」とは?
ライフスタイル提案型ストアを継続的に成長させるためのモデルの全体像を解説します。
このグロースモデルの核心は、「ストアのコンセプトをベースとして、季節・トレンド、顧客属性、取り扱い商品の組み合わせが良い切り口の提案を考え、コンテンツを作り、検証するプロセスを回し続けること」にあります。
このプロセスによって生み出された「特集ページ」や「コーディネート提案」などのコンテンツが、ストアの資産となります。
このモデルが継続的成長につながる2つの理由
なぜこのモデルが有効なのでしょうか。それには大きく2つの理由があります。
ライフスタイル提案コンテンツが「集客資産」として蓄積されるから
このプロセスを通じて作られた一つひとつの提案コンテンツ(特集ページ、コーディネイトページなど)は、お客様の特定の興味関心や悩みに応える良質な情報です。
例えば「リモートワークが捗る、心地よいデスク周りアイテム集」といったコンテンツは、時間が経っても価値が下がりにくく、SEOやSNS経由での新規顧客獲得の強力な入口となります。このプロセスを回せば回すほど、新規顧客を呼び込み続けてくれる「資産」がストアに蓄積されていきます。
精度の高いコンテンツの蓄積が「新規購入率」と「リピート購入率」を改善するから
もう1つの重要な点は、作りっぱなしにせず、必ず効果検証を行う点です。どの提案が、誰に、どのように響いたのかを分析し続けることで、お客様への理解が深まり、提案の精度が着実に向上します。
精度の高い提案コンテンツが増えることで、新規獲得効率を高めるだけでなく、CRMでの打ち手を広げ、既存顧客の購入率改善にも貢献します。
ライフスタイル提案を仕組み化する5つのステップ
それでは、この「ライフスタイル提案グロースモデル」を、あなたのストアで実践するための具体的な5つのステップを詳しく解説していきます。
ステップ1:提案の「切り口」を洗い出す
まず、どのような提案をすべきか、その「切り口」のアイデアを徹底的に洗い出します。ここでは、思い込みや勘に頼るのではなく、客観的なデータを参考にすることが重要です。
以下の情報源を参考に、ブレインストーミングを行いましょう。
- 検索キーワード: Google、Instagram、YouTubeなどで、お客様がどのような言葉で検索しているかを調査します。「ワンピース コーデ」「二人暮らし インテリア」といったキーワードは、お客様のニーズそのものです。
- 顧客データ: 既存顧客へのアンケートやインタビューは、最も価値のある情報源です。購入理由やライフスタイル、悩みを直接聞くことで、リアルな切り口が見つかります。購買データもヒントの宝庫です。
- メディアや競合の動向: ターゲット顧客が読む雑誌やWebメディア、競合サイトがどのような特集を組んでいるかをチェックします。
これらの情報を元に、「結婚式お呼ばれドレス」「ワンマイルウェア」「初夏のリネン素材アイテム」といった切り口の候補を、できるだけ多くリストアップします。
検索キーワードは、Google広告のキーワードプランナー、ahrefs、Keyword Toolなどで調査できます。顧客データは、Shopifyでは、PersonalizeHeroやLanternなどのアプリでアンケート・診断を実装して収集することができます。
ステップ2:切り口ごとの「優先度」を決める
次に、洗い出した提案の切り口の中から、どれを優先的に実行するかを決定します。リソースは限られているため、戦略的な優先順位付けが成功の鍵を握ります。
優先度は、「季節・トレンド・需要」「顧客属性」「取り扱い商品」「ストアコンセプト」などの要素の組み合わせの良さで評価し、最も効果が期待できるものから着手します。

ステップ3:提案ごとに「誰に、何を、どう見せるか」を決める
作成する提案が決まったら、そのコンテンツで「どの商品を、どういう訴求で、どのチャネル経由で紹介するか」という具体的な戦術を設計します。
- どの商品を(What): 特集テーマにマッチする商品をピックアップします。商品の特徴だけでなく、レビューや購買データも参考にします。
- どういう訴求で(How): 商品をただ並べるのではなく、お客様が「自分ごと」として捉えられるストーリーで訴求します。メディアや他社の訴求方法も参考にします。
- どのチャネル経由で(Where): この提案を、誰に、どのチャネルで届けるかを考えます。集客チャネルのデータ分析が役立ちます。
Shopifyの場合、商品の特徴は、商品データのタグやmetafieldに登録しておくと、商品数が多い場合も、どんなお客様がどんな商品を購入しやすいかについての傾向が掴みやすくなり、商品の選定に役立ちます。
どのチャネルを優先的に活用するかは、商品別・顧客別の購入チャネルをShopifyとGAのデータを組み合わせて確認すると判断しやすくなります。StoreHeroでも、ShopifyとGAのデータを組み合わせて、どの商品・顧客がどのチャネル経由で売れているかを見て施策のヒントを得ています。

ステップ4:提案コンテンツを作る
設計図が完成したら、いよいよコンテンツの作成です。主なアウトプットは「提案ページ(特集ページなど)」と「提案メール」です。
4-1. 提案ページ(特集ページ、コーディネートページ)を作る
設計に基づき、Shopify上でページを作成します。効率的に量産するため、あらかじめテンプレートを用意しておくと運用しやすいです。
私たちのグロースプラットフォーム「StoreHero」には、Shopifyにログインできない外部の制作者がコンテンツを投稿し、Shopify運営者が承認すればページを公開できる機能があります。これにより、オーナーが本来の業務に集中しながら、効率的にコンテンツ制作チームを組織し、提案コンテンツの量産を加速させることが可能です。

4-2. 提案メールを作る
作成した提案コンテンツは、メールでも配信します。特に、季節性がなく普遍的なテーマの提案は、通年で使える自動メールに組み込むことで、継続的に効果を発揮します。

提案コンテンツが増えるたびに、自動メールに組み込めるものは追加していきます。
ステップ5:効果検証し、改善する
提案コンテンツを公開したら、それで終わりではありません。必ず効果を測定し、次の提案の精度を高めるための学びを得ることが、このモデルの心臓部です。
5-1. 提案経由のパフォーマンスを計測する
まず、その提案がどれだけの成果を出したのかを評価します。
特集ページの場合、特集ページ経由の売上、注文数、単価、CVR、セッション数以外に、的中率(紹介した商品の購入率)も、 提案の精度を測る重要な指標です。
提案した商品がしっかり購入されている特集ページもあれば、提案した商品はあまり購入されていないが、特集ページが起点になって他の商品がよく購入されている場合があります。特集ページがどういった役割を果たしかを評価をするのに的中率は重要な指標です。
5-2. 顧客、チャネル、商品軸で分析し、原因・要因を探る
次に、パフォーマンスの良し悪しの「なぜ」を深掘りします。具体的には、以下のことを提案コンテンツを作成するたびに検証します。
- 誰が買ったか、買わなかったか
- どこ経由で買われたか、買われなかったか
- 何が買われたか、買われなかったか
- いつ買われたか、買われなかったか

このPDCAサイクルを回し続けることで、あなたのストアの「提案力」は着実に向上し、それが売上、CVR、注文単価という形で表れてきます。
まとめ
本記事では、Shopifyでライフスタイル提案型ストアを運営する事業者が、継続的に成長するための「ライフスタイル提案グロースモデル」について解説しました。
最後に、「ライフスタイル提案グロースモデル」の要点をまとめます。
- 成長の鍵は、場当たり的な施策ではなく、ライフスタイル提案を「仕組み化」し、継続することにあります。
- 「切り口の洗い出し」から「効果検証」までの5つのステップのサイクルを回し続けることで、提案の精度が向上し、良質なコンテンツが資産として蓄積されます。
- このモデルは、結果として新規獲得効率とリピート購入率を高め、安定した事業成長を実現します。
「理論は理解できたが、自社だけでこのサイクルを回し続けるのは難しいかもしれない」
「何から手をつけるべきか、専門家の意見を聞いてみたい」
もしそう感じられたなら、ぜひ一度、私たちにご相談ください。StoreHeroでは、Shopifyグロースのエキスパートによる「無料ストア診断」を実施しています。この診断では、Shopifyグロースの専門家がストアの現状をヒアリングとデータに基づいて丁寧に分析し、今取り組むべき優先度の高い課題と、具体的な施策をご提案します。
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