高単価商材で売上が伸び悩む理由とShopifyでの突破法

「ShopifyでECサイトを立ち上げたものの、高単価商材が思うように売れない」

「広告を出しても、なかなか購入に繋がらない」

アパレル、インテリア、宝飾品など、こだわりの高単価商材を扱う経営者や事業責任者の方から、このような切実な悩みをよくお聞きします。多くの事業者が初回訪問での購入をゴールに設定しがちですが、実はそこに大きな落とし穴があります。

通常、注文単価約2万円を超える商材の場合、初回訪問での購入数は2回目以降の購入数の半分以下です。この事実は、高単価商材の顧客は即決せず、複数回サイトを訪れてじっくりと検討した上で購入を決めていることを示しています。もしあなたのストアが初回訪問での刈り取りばかりを重視しているのであれば、多くの機会を損失しているかもしれません。

この記事では、多くの高単価商材事業者が陥りがちな「初回訪問至上主義」から脱却し、顧客の検討プロセスに寄り添いながら売上を最大化するための具体的な方法を事例を交えて解説します。

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なぜ、高単価商材は「2回目以降の訪問」が鍵になるのか

高単価商材の購入は、顧客にとって大きな決断です。そのため、購入に至るまでの検討期間が長くなる傾向にあります。

実際にデータを見てみましょう。こちらはGoogle自然検索経由の初回セッションの注文数と2回目以降の注文数、購入までの期間(中央値・平均値)を注文単価の違うストアで比較したものです。

注文単価に関わらず2回目以降セッションの注文数の方が多いですが、注文単価が高い方が2回目以降注文の割合が高いです。購入までの期間も、注文単価が高いストアの方が長く検討しています。

今回は、Google自然検索経由のデータを集計していますが、Meta広告など、より潜在層の顧客にアプローチする場合は、より2回目以降セッション注文の割合が高くなり、検討期間も長くなります。

これらのデータが示すように、注文単価の高い商品ほど、顧客は初回訪問で商品を知り、その後、何度もサイトを訪れて情報を収集し、他社製品と比較したりしながら、購入の意思を固めていきます。売上を最大化するためには、初回訪問でサイトを離脱した顧客を「見込み客」として捉え、再訪を促し、時間をかけて購入へと導くアプローチが不可欠です。

以降では、初回訪問で買ってくれなかった顧客を、いかにして優良顧客へと転換させるか、そのための具体的な道筋をお伝えします。

「検討者」を増やし、「購入者」に転換する

複数回の訪問を前提とした上で、どのように売上を伸ばしていけばよいのでしょうか。その答えは、「検討者を増やす施策」と「検討者を購入者に転換する施策」という2つの軸で施策を組み立て、両輪で回していくことにあります。

STEP1:まずは「検討度合いを測るイベント」を定義し、計測する

この施策の根幹をなすのが「検討度合い」という概念です。まだ購入には至っていないものの、顧客がサイト内で行う特定の行動を「検討のサイン」と捉えます。この検討度合いを測るイベントには、以下のようなものが挙げられます。

  • カートに商品を追加する
  • お気に入りに登録する
  • 商品のレビューを閲覧する
  • コーディネートコンテンツなどの関連コンテンツを閲覧する
  • 入荷通知登録をする
  • メールマガジンやLINEに登録する
  • 商品に関する診断コンテンツを受ける
  • 実店舗の在庫を確認する

これらの行動は、顧客が商品に対して高い関心を持っている証拠です。まずは、自社の商材や顧客の行動特性に合わせて、どの行動を「検討のサイン」と見なすかを定義し、それらのイベントを正確に計測できる環境を整えることが第一歩となります。

STEP2:「検討者」を増やす施策 ― イベントが起きやすい環境を作る

検討度合いを測るイベントを定義できたら、次はそのイベントを実行してくれる「検討者」の母数を増やす施策を実行します。これは、潜在顧客に商品の魅力を伝え、興味を持ってもらうためのアプローチです。

重要なのは、ただ待つのではなく、これらのイベントが起きやすいように積極的に環境を整えることです。コンテンツ、サイト改善、集客といった施策を連動させます。

  • 商品の魅力を伝えるコンテンツ: 商品が生まれるまでの背景、作り手のこだわり、コーディネイト・スタイリングなどをコンテンツ化することで、商品の「価値」を多角的に伝える事ができます。コンテンツはサイト上だけではなく、メールやSNSなどでも伝えます。
  • 検討方法に合わせたサイト改善: 顧客の検討方法に合わせてサイトの改善も必要です。豊富なラインナップがある場合は、顧客が様々な切り口で比較検討できるよう「お気に入り」「商品比較」などの機能が必要ですし、専門性が高く選び方が難しい場合は「診断」、「チャット接客」などによって検討が進みやすくなります。
  • Middle/Upper Funnelを狙った集客: すぐに購入する可能性が高い「Lower Funnel(潜在層)」だけでなく、まだ情報収集中である「Middle Funnel(準顕在層)」や「Upper Funnel(潜在層)」の顧客にもアプローチします。これらの層に対しては、購入ではなく、まずは「メルマガ登録」や「診断コンテンツの利用」といった検討イベントをコンバージョンポイントに設定した広告配信も有効です。

このように、チャネル(検索、SNS、広告など)ごとに検討コンバージョンイベントを設定し、そこに向けて最適化を図ることが、将来の優良顧客を育てる上で鍵となります。

STEP3:「検討者」を購入者に転換する施策

サイト内で検討イベントを実行してくれた顧客は、非常に確度の高い見込み客です。彼らに対して的確なアプローチを行うことで、購入への最後のひと押しをします。

1. 広告によるリターゲティング

計測した検討イベントのデータは、広告プラットフォームに送信することで、リターゲティング広告の精度を高めることができます。例えば、「特定の商品をお気に入り登録したが、まだ購入していない顧客」に対して、GoogleやMeta広告でその商品の広告を再度リターゲティング配信するといったアプローチです。

ここで重要なのは、データの送信方法です。ブラウザベースのイベント計測だけでは精度が悪いことがあるため、正確なターゲティングを行うため、サーバーから広告プラットフォームへ直接データを送る「API経由」でのイベント送信が推奨されます。

API経由のイベントは精度が高く、機械学習の質を向上させ、広告効果の最大化に繋がります。理想は、ブラウザ経由とAPI経由の両方を活用し、重複を除外する設定を行うことです。Shopifyの場合は、Elevarなどのアプリを活用することでAPI経由のデータ送信が簡単に実装可能です。

2. CRM(メール・LINE)によるアプローチ

メールアドレスやLINEのIDを取得できている検討者に対しては、よりパーソナライズされたアプローチが可能です。単なる商品紹介だけでなく、顧客の検討状況や興味関心に合わせたシナリオを設計することが成功の鍵です。

  • シナリオの例:
    • 「カートに商品を入れたまま離脱した顧客」へ、取扱店舗を案内し実物を見ての検討を促進する。
    • 「特定のコーディネートコンテンツを閲覧した顧客」へ、そのコーディネートで使われている商品を提案するメールを送信する。
    • 「特定のジュエリーを検討する顧客」へ、そのジュエリーが製品として完成するまでのストーリーを配信し、当該ジュエリーへの検討を促進する。

StoreHeroでは、Shopifyグロース運用のプラットフォームを活用して、顧客が起こしたイベントや属性に合わせて商品カタログを動的に生成し、Klaviyoなどのメール配信システムに組み込むといった、工数を抑えつつきめ細やかな運用を行っています。

Klaviyoの動的カタログ
グロースプラットフォームStoreHeroとKlaviyoを連携

3. オンラインとオフライン(店舗)の連携

高価な商品であればあるほど、「実物を見てから決めたい」というニーズは高まります。もし実店舗を運営している場合は、オンラインで商品を検討している顧客を店舗へ誘導することも非常に有効な施策です。オンラインで実店舗のイベント情報を発信するなどして来店を促進しましょう。

ジュエリーブランド「BIZOUX」に学ぶ、検討者をファンに変える仕組み

これまで紹介した取り組み方を踏まえて、カラーストーンジュエリーブランド「BIZOUX(ビズー)」の事例で実際の取り組みを解説します。詳しくはインタビュー記事を御覧ください(BIZOUXインタビュー記事)。

BIZOUXは、多種多様な天然石を使ったジュエリーを展開しており、インタビュー記事によると、まさに高単価商材における顧客との関係構築のお手本ともいえる施策を行っています。

  • ストーリーテリングで“価値”を可視化(検討者を増やす)
    BIZOUXのサイトでは、世界中から買い付けた宝石の背景や、職人の手仕事といった物語を丁寧に伝えています。これにより、製品に込められた「価値」が顧客に伝わり、強い感情的な結びつきを生み出しています。
  • “最愛の一本”を見つけやすくする選び方デザイン(検討者を増やす)
    100種類を超える天然石の中からでも運命の一本に出会えるよう、カラーや素材だけでなく、誕生石や石言葉といった多彩な切り口で商品を探せる体験を提供。顧客の「自分ごと化」を促し、楽しみながら商品を検討するきっかけを作り出しています。
  • パーソナライズされたメールコミュニケーション(検討者を購入者に転換)
    BIZOUXのメールは、単なる商品紹介に留まりません。宝石にまつわる小話や季節に合わせたコーディネート提案など、顧客が楽しめるコンテンツを配信し、長期的な関係性を深めています。
  • オンライン→店舗導線の設計(検討者を購入者に転換)
    高価格帯だからこそ「実物を見てみたい」という顧客心理を理解し、オンライン上で実店舗のイベント情報を積極的に発信し、来店を促進しています。
誕生石から選ぶ

BIZOUXの事例は、商品を「売る」のではなく、顧客の検討プロセスに寄り添い、ブランドや商品のファンになってもらうことで、結果として売上に繋げている理想的な形と言えるでしょう。

まとめ

本記事では、Shopifyで高単価商材の売上を最大化するためのアプローチを解説しました。最後に、重要なポイントを振り返ります。

  • 高単価商材の顧客は即決せず、購入までに複数回のセッションと一定の検討期間を要します。
  • 成功の鍵は、初回訪問だけでなく、検討度合いを測るイベントを設定し、そのイベントを軸にした施策に切り替えることです。
  • 「検討者を増やす施策(集客・サイト改善・コンテンツ)」「検討者を購入者に転換する施策(広告・CRM)」を両輪で回すことが不可欠です。

まずは自社の顧客がどのようなプロセスを経て購入に至っているのかを分析し、「検討イベント」を定義することから始めてみませんか? そして、計測したデータを元に、施策を実行してみてください。

もし、「何から手をつければいいかわからない」「自社のリソースだけでは施策の実行が難しい」と感じたなら、ぜひ一度、私たちStoreHeroにご相談ください。

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