広告運用だけでグロースさせられる場合、コマースビジネスは簡単にスケールします。しかし、実際には、広告運用だけで利益を確保しながら売上を上げていけるケースは稀です。
広告をうまく運用すれば、売上が伸ばせるのではないかと考えるマーチャントが多いですが、GoogleもFacebookも、運用が簡単にできるようになってきているため、広告運用のテクニカルなうまさは、実は重要ではなくなってきています。
今回は、広告で成果を出すために、広告以外に取り組むべき点を紹介します。
StoreHeroでは独自グロースプラットフォームを活用し、マニュアル運用ではやりきれないきめ細かな運用や、施策の大量実施による事業成長を支援しています。
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Contents
広告運用だけやって収益を伸ばせるストアの条件
広告運用だけで収益を伸ばすための条件はいくつかありますが、一番重要な点は、CVR(購入率)と注文単価が高いことです。
以前紹介したKPIツリーを見ると、売上を上げるには、新規・既存顧客の訪問数、CVR、注文単価を高めることが大事だと分かります。訪問数は、広告予算を増やせば増えますが、CVRと注文単価が低ければ、非効率な広告になり、広告予算より広告経由の売上が低くなってしまいます(ShopifyでLTVとCACをモニタリングしてゴリゴリに収益改善する方法)。
CVR×注文単価は、顧客がストアを1回訪問したときに期待できる売上額です。荒い計算ですが、この数値が100円の場合、顧客が1回訪問したときに100円購入してくれると期待でき、原価率が50%だとした場合は、50円の利益が残る計算になります。
CVR×注文単価が安定的に1000円近くあれば、広告運用だけで収益を伸ばせるでしょう(そんなストアは滅多にありません)。
一方、CVR×注文単価が100円にも満たない場合は、広告だけで収益を伸ばし続けることは難しいです。広告運用をしたことがあればご存知だと思いますが、コンバージョン狙いの広告を、安定的に配信しようとすると、1クリックあたりの単価(CPC)は、100円以上になることが多いためです。
つまり、CVR×注文単価が十分高いことが広告運用だけで収益を伸ばせる最低条件なのです。
成果を出すには総合的な施策実行が必要
CVR×注文単価を高めるには、広告以外に様々な施策を実施する必要があります。以下では、CVR×注文単価を高めるためのいくつかの基本的な施策を紹介していきます。
LP(ランディングページ)施策
LPはCVRに影響する重要なファクターです。広告専用ページ、商品詳細ページ、コレクションページ、blogページなど、広告の種類によって適切なLPは異なります。
広告専用LP
潜在層の顧客にアプローチするには、情報量の多い広告専用LPが有効になります。広告専用LPを作成する場合は、顧客調査・分析にもとづいて、どの商品をどう提案すれば売れるかを整理してから作りましょう。
広告専用LPは、商品詳細ページなどの動的ページと比べると改善しやすいため、Google Optimizeを使ったABテストをしながら継続的に改善することをおすすめします。また、継続的に改善するには、GempageやPageflyなど、ノーコードでページ修正ができるページビルダーのアプリを使って制作すると良いかと思います。
商品詳細ページ
Google Shopping広告を活用すると、商品詳細ページがLPになります。商品詳細ページには、バリエーション選択、ギフト、付加オプション、アップセル・クロスセルなど、色々な機能が実装されがちです。
初めて訪問したストアに、色々な機能が所狭しと並んでいることを想像してください。正しく購入できるか不安を感じると思います。CVRの観点からは、商品詳細やカートは、極力、余計な機能を付けずに直感的に購入できるUIにすることをおすすめします。
余談ですが、酔っ払っている人でも使えるシンプルなUIに設計すべきというアプローチがありShopifyのBlogにも寄稿されています。
コレクションページ
SKUが多い場合は、コレクションページも広告のLPとして活用していくことになります。LPとして活用する場合、ただ商品が羅列されているだけでなく、売れ筋の商品を上部に表示したり、フィルター機能などが有効になります。
コレクション内のSKUが多い場合は、コレクションごとのランキングやおすすめ商品などを表示して選びやすくすることを検討しても良いでしょう。
アップセル・クロスセル
アップセルやクロスセルによって、購入単価を高めることも有効な施策です。Shopifyのアプリによってアップセルやクロスセルは、簡単に実装ができます。以前、Shopifyアプリを使ったアップセル・クロスセルの方法を紹介しました。
Shopifyアプリでアップセルやクロスセルできることは便利なのですが、購入時の操作が複雑になったり操作手順が増えます。先ほど説明したように、シンプルなUIはCVRにとって大事な要素です。
そこで、同時に購入されやすい商品や、連続した注文で購入されやすい商品のセット商品を作っておき、アプリを使わずにアップセル・クロスセルを実現する方法もあります。
Shopifyの購入データを集計すれば同時に購入されやすい商品・コレクションのパターンが分かりますので、購買傾向にしたがってセット商品を作ることができます。
CRM施策
CRM施策により、リピート購入・LTV(ライフタイムバリュー)を高くすることも、有効な施策です。広告のCPAが5000円で、粗利が5000円の場合、1回の購入では利益が出ませんが、CRM施策でリピート購入が発生すれば、利益が生まれます。
一般的にはリピート購入者の方がCVRや購入単価は高いため、リピート購入を促すCRM施策を仕込んでおくことが、新規購入者を獲得する広告のROIを高めることにも繋がります。
購入者・未購入者向けの自動メールは、王道のシナリオで良いので、ストアリリース時から設定しておきましょう。収益を底上げしてくれます。
また、CRMでロイヤリティの高い顧客データをセグメントしておけば、そのデータは、GoogleやFacebookのオーディエンスデータとして活用し、広告の精度を高めるためにも使えます。広告とCRMは密接につながっているのです。
UGC施策
初めて購入する人は、購入することに不安を感じています。本当に良い商品なのか、フィッシングサイトではないか、購入しても商品が届かないのではないかなど、オンラインストアでのショッピングには、様々な不安がつきまといます。
その不安を抑制するのに有効なのがUGC施策です。UGCとして代表的なコンテンツは、下記などがあります。
- 商品・ショップレビュー
- 顧客インタビュー
- 専門家コメント
- メディア掲載実績
こういった、第三者からの評価が可視化されていると、安心して商品が買いやすくなります。
UGCがうまく集まらない場合は、知人・友人やSNSで商品を気に入ってくれそうな人を探して、ギフティングをしてでも、レビューやコメントを収集することはやるべきです。
UGC以外に安心感を生むための施策として、無料返品・返金や保証サービスという方法もあります。コストがかかりますが、サイズや不良品の不安を抱かれやすい商品の場合は、検討しても良いでしょう。
PR/アフィリエイト施策
自社ストア外での評判作りもCVRを高めるために重要な施策です。
定期的にPRネタを作り、プレスリリースサイトに投稿するのはやって損はありません。顧客アンケートでおもしろいデータが作れたら、調査レポートにしてメディアに売り込みましょう。PiktochartやCanvaを使ってインフォグラフィックにすれば、SNSでのシェアも獲得しやすくなります。
参考
アフィリエイターの獲得も自社ストア外の評判作りという意味で重要です。アフィリエイターが増えることで、自社ストアの外で話題や評判が作られ、アフィリエイト経由の売上だけでなく、ストア全体のCVR改善にも貢献するためです。
SNSやGoogle検索で、相性の良いインフルエンサーやブロガーを探して、条件交渉をして契約しましょう。Shopifyには、RefersionやAffiliatlyといった自社アフィリエイトを実施するために必要なトラッキングアプリがあります。トラッキングURLの発行やお金の支払いまでできる便利アプリです。
アフィリエイトのトラッキングアプリ
StoreHeroを活用したグロース運用の徹底実行
StoreHeroではShopifyで売上アップに課題を持つマーチャントさまに、グロース施策の徹底実行を支援しています。
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まとめ
広告でコマースビジネスをスケールさせるためにも、LP、アップセル・クロスセル、UGC、PR/アフィリエイトが重要だと解説しました。広告をうまく運用するだけで売上・利益を伸ばし続けられれば楽なのですが、そう簡単にはいかないことがほとんどです。今回の記事を参考にして、ぜひグロースにつなげて頂けたらと思います。
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