コマースビジネスのグロース施策を運営していく上で指標のモニタリングは欠かせません。モニタリングをうまく設計できれば、今、何に注力するべきなのか、正しいグロース施策ができているのかを示してくれます。
今回はShopifyでの日々モニタリングする指標について紹介していきます。
基本的なモニタリング指標
Shopifyでグロース施策を運営する際に、必ず見る基本的な指標は、Shopifyのダッシュボードで確認することができます。主な指標は下記のとおりです。
- 売上
- セッション数
- リピーター数
- CVR
- カート追加率・カートからの離脱率
- 平均注文金額
- 注文数
これらがパッと確認できるだけでもかなり状況が把握できますので、毎日確認しましょう。毎日確認すると、時間帯や曜日別の動きが分かるようになってきます。
ストアの集客効率
集客効率をモニタリングする際は、下記のような指標をチャネル別にモニタリングします。
- Revenue per visit
- LTV(Life Time Value)
- ROAS(Return On Advertising Spend)
- CPA(Cost per acquisition)
- CAC(Customer Acquisition Cost)
- CVR
- CPC
広告などで集客に取り組まれているマーチャントさんは聞いたことがある指標だと思います。各指標の概要説明は下記のとおりです。
Revenue per visit:CVR×平均注文金額で計算する指標で、1訪問あたりの期待売上です。この値がCPCを上回っていなければ、その集客チャネルを継続することは難しいです。
LTV:顧客生涯価値で、1人のお客さんが生涯で支払う利益の合計です。この値が、顧客獲得コストであるCPAやCACを上回っていなければ、その集客チャネルを継続することは難しいです。
ROAS:売上 / 広告費用で計算する指標で、広告費用に対して売上が何倍獲得できたかを示します。
CPA:広告費用 / 注文数で計算する指標で、1件の注文を獲得するのに掛かった広告費用です。
CAC:集客費用 / 注文数で計算する指標で、1件の注文を獲得するのに掛かった集客費用です。CPAとの違いは、広告費以外の人件費なども含めて計算します。計算するのに手間がかかりますが、自然検索やメールなど、広告以外の集客チャネルの費用対効果も検討する際には必要になります。
CVR:注文数 / セッション数で、1注文あたりのセッション数です。
CPC:1クリックあたりの広告費用です。
ストア全体のRevenue per visitが100円を超えてないと、広告でスケールさせることは難しいことが多く、300円を超えていれば、スケールさせていきやすくなります。ただし、記事コンテンツが多かったりすると、ストア全体のRevenue per visitは低くなったりしますので、チャネル別にモニタリングしてください。
Revenue per visitを高めるには、CVRと平均注文金額を高める必要ありますが、平均注文金額は、大きく高めることが難しいため、CVRの改善が必要になることが多いです。ちなみにLTV、CACのデータを活用して打ち手を考える方法については、以下の記事で紹介しています。
エンゲージメント
CVRは、商品やストアのUIだけでなく、顧客とのエンゲージメント度に強く影響を受けます。仲良しの人が運営するストアからは、高い確率で購入しますよね?エンゲージメントのトレンドをモニタリングする時は、よく下記の指標を確認します。
- サブスクライバー数
- フォロワー数
- Active on site
- ブランド検索の流入数
こちらでも指標の簡単な説明をしておきます。
サブスクライバー数:ニュースレター登録の数です。
フォロワー数:各SNSアカウントへのフォロワー数です。
Active on site:サブスクライバーのストア訪問数です。ニュースレター登録だけして、ストアに訪問してないとActive on siteが低くなります。KlaviyoやOmnisendで確認することができます。
ブランド検索の流入数:ブランド名で検索して流入した回数です。Google Search Consoleで確認することができます。ブランド名で検索する人は、非ブランド名で検索して偶然たどり着いた人より、エンゲージメントが高い顧客です。
エンゲージメントを高めるための施策は、効果が見えづらいと言われますが、上記のような指標を長期的にモニタリングすることで、正しい施策ができているかを確認することができます。
ロイヤルカスタマーの増減
コマースビジネスを継続的に成長させるには、ロイヤルカスタマーを増やしていく必要があります。そこで、継続的に購入してくれるロイヤルカスタマーが増えているのかをモニタリングします。
ロイヤルカスタマーのモニタリングをする前に、ロイヤルカスタマーの定義が必要です。特定の期間内の購入金額、購入回数、購入商品などで基準値を決めて定義します。
例:6ヶ月以内に、3万円以上購入、2回以上注文、Aの商品を1つ以上購入
定義を決めたら、その条件に当たる顧客の数をモニタリングします。ロイヤルカスタマーデータのCRM活用方法については以下の記事で紹介しています。
売れ筋・死に筋
SKUが多い場合、何が売れてるか、売れ残っているかをモニタリングすることは大事です。モニタリングの代表的な指標は下記のとおりです。
- 商品・バリエーション別注文数
- コレクション・商品タイプ・タグ別注文数
- 商品・バリエーション別在庫数
- コレクション・商品タイプ・タグ別在庫数
- 商品・バリエーション別在庫回転率
- コレクション・商品タイプ・タグ別在庫回転率
SKUが多い場合、どういった商品が売れているか(売れていないか)のトレンドを商品単体だけでなく、コレクション、商品タイプ、タグでも追うことで発見につながることがあります。
在庫回転率は、売上原価 / 平均在庫金額で、在庫が何回転したかを示します。これらの指標から、何が売れていて、何が売れていないかを把握し、販促企画や仕入れに役立てます。
データをアクションにつなげる
モニタリングに限らず、データ活用で大事なことは、アクションにつなげることです。データを見ているだけではグロースは実現しません。アクションにつながって初めて意味があります。
アクションにつなげるためのコツは、各指標の変化に対して、どういったアクションを起こすかを予め決めておくことです。具体的な施策までは決めないまでも、確認する項目を決めておくだけで、アクションに繋がりやすくなります。
まとめ
Shopifyでグロース施策を運営する際にモニタリングする基本的な指標を紹介しました。ほとんどの指標は、Shopifyから直接、あるいは集計すれば取得できます。
正しくモニタリングして、方向性を間違わずにグロース施策を進めていきましょう。
Shopify×グロース支援のお問い合わせ
StoreHeroでは、Shopify×グロースでの勝ちパターンの発見と施策の自動化により、継続的な成長を支援しています。
販売プロセス全体(集客、ストア、CRM、在庫管理)にShopify×グロース施策の自動化を導入し、効率化と成長が両立する仕組みづくりをしてみませんか。
Shopify×グロースのエキスパートであるStoreHeroと、Shopify×グロースに取り組んでみたい方はお問い合わせください。