「Shopifyで単品リピート通販を始めたものの、売上が頭打ちになっている」
「広告やLPの改善を行っているが、単品リピート通販の売上や利益が思うように伸びない」
もし、このような悩みを抱えられているShopifyマーチャントには、この記事はお役に立てるはずです。
単品リピート通販で継続的に事業を成長させるためには、広告、LP、CRMなどの各種施策を個別に最適化するのではなく、それらを組み合わせ、LTV (顧客生涯価値) / CPA (顧客獲得単価) という観点で全体を最適化する「グロースモデル」の構築が不可欠です。
この記事では、Shopifyストアで単品リピート通販事業を成長させるための、体系化されたグロースモデルとその実践方法を具体的に解説します。最後までお読みいただければ、LTV/CPAの高い施策の組み合わせを見つけ、事業を継続的に成長させるための道筋が明確になるはずです。
Contents
なぜ、単品リピート通販の成長に「グロースモデル」が必要なのか?
単品リピート通販モデルは、リピート購入率が高いため、一度軌道に乗れば安定した収益を生み出しやすいビジネスです。しかし、多くの事業が新規獲得の難しさという課題に直面します。
特に広告を主軸に集客している場合、競合の増加によってCPAは高騰しがちです。CPAを抑えようとして初回購入のハードルを下げすぎると、今度はリピート率が低下し、LTVが伸び悩むというジレンマに陥ります。
この問題を解決するのが、LTV/CPAの高い「認知・広告・販売プラン・LP・CRM」の5つの要素の組み合わせを構築・増やす「グロースモデル」です。

このモデルの目的は、単に新規顧客を獲得することではありません。LTV/CPAという「事業成長のコンパス」を常に参照しながら、最も費用対効果の高い顧客獲得の仕組みを見つけ出し、そのパターンを増やし続けることにあります。
市場が変化し、ある勝ちパターンが通用しなくなったとしても、このモデルに基づいて新たな組み合わせを試行錯誤することで、事業を継続的に成長させることができるのです。
LTV/CPAを最大化するグロースモデルの5要素
それでは、グロースモデルを構成する5つの要素と、それぞれの具体的な運用方法について詳しく見ていきましょう。
1. 販売プラン・オファー:事業の根幹を設計する
どのような販売プランやオファーを用意するかが、LTVとCPAを大きく左右します。顧客の購買行動にマッチした、最適な組み合わせを検討することが重要です。
販売プラン・オファーの決定
定期購入はLTVが高い一方で、初回購入ハードルが高くCPAも高くなりやすい傾向があります。今回は、単品リピート通販モデルの解説ですが、定期購入にこだわりすぎず、単品販売、まとめ買い、セット販売なども含め、LTV/CPAの観点から最も効率的な方法を選択してください。
定期購入でよくあるプラン・オファー
- 定期購入割引: 通常価格よりお得な価格で定期購入ができるシンプルなプラン。
- 継続回数コミット: 「最低3回」といった継続回数を約束してもらう代わりに、さらに高い割引率を提供するプラン。
- 頒布会・ボックス: 月額料金で、複数の商品を詰め合わせたボックスが届くプラン。
定期購入の初回購入ハードルを下げるオファー
- 価格的メリット: 初回割引、お試しサンプル、初回送料無料など(CPAは下がるがリピート率が低くなりやすい点に注意が必要)。
- 安心感の醸成: 全額返金保証や、いつでも解約OK。
- 付加価値の提供: サンプルや限定ノベルティグッズのプレゼント。
定期購入の継続利用を促すオファー
- 継続的な価格メリット: 送料無料の継続や、継続回数に応じた割引率アップ。
- 特別な体験・付加価値: 定期会員限定商品の販売や、新商品の先行お試し。
定期購入以外でよくある販売プラン・オファー
- ボリュームディスカウント: 購入点数が増えるほど割引率が高くなるプラン。
- セット購入割引: 複数の商品を組み合わせると割引になるプラン(例:「シャンプー&トリートメントセット」)。
- 条件付き割引: 「5,000円以上お買い上げで送料無料」など、一定の購入金額や点数を超えると特典が適用される。
- お試しセット: 初めての顧客向けに、ブランドの代表的な商品をまとめたセット。
- 福袋/ハッピーバッグ: 複数商品を中身が見えない状態でお得な価格で販売する、イベント性の高いセット。
Shopifyでは、定期購入は「Mikawaya」や「定期購買」などのアプリで実装できます。会員限定の体験は「VIP」や「Locksmith」などのアプリと組み合わせることで実現可能です。また、定期購入以外のプランやオファーは、Shopify標準機能や「Rebuy」といったアプリで実装できます。
2. LP (ランディングページ) :商品・プランの魅力を最大化する
特に広告経由で集客する場合、初回購入のハードルが高い定期購入モデルでは、専用LPの作り込みが欠かせません。
顧客インタビューや競合調査を通じて、顧客属性(年齢、性別、悩みなど)を深く理解し、自社商品の相対的な魅力を整理してLPの構成に落とし込みます。LPには以下のような要素を盛り込み、商品の魅力を最大限に伝えましょう。
- 顧客の悩みへの共感
- 商品の特徴とベネフィット
- お客様や専門家の声 (社会的証明)
- 強力なオファー
- 商品の使い方
- よくある質問
ShopifyではLPはPageflyやGempagesなどのページビルダーアプリでノーコードで作成できます。StoreHeroでは、LPを複数作る場合は、Shopifyのテーマでテンプレートを作成し、画像とテキストだけ登録すればページが作成できるワークフローで運用しています。
3. 広告運用:適切なターゲットにアプローチする
LPで設計したターゲット顧客や訴求内容に基づき、広告の配信設定やクリエイティブを実装します。
ここで注意すべき点は、定期購入者と単品購入者では、購入者属性が全く異なる場合があるということです。例えば、自家需要の定期購入者と、ギフト需要の単品購入者では、個人か法人かの違いもありえるほど、顧客属性が異なり、響くメッセージも最適なオーディエンスも異なります。
Shopify内の顧客データのうち、定期購入の広告では定期購入者のデータを、それ以外の広告では非定期購入者のデータを活用するなど、目的に合わせたオーディエンス設定を行うことが有効です。
Klaviyoなどのアプリを使えば、Shopify内の顧客データをGoogle広告やMeta広告と簡単に連携させ、精度の高いターゲティングが可能です。
4. 認知獲得:広告だけに頼らない認知チャネルの開拓
定期購入モデルの広告市場は競合が多く、CPAが高騰しやすいのが現実です。そこで重要になるのが、以下のような施策を組み合わせ、認知獲得における広告への依存度を下げることです。
- アフィリエイト
- SEO
- SNS運用
- PR
- ギフティング
- アンバサダー施策
例えば、潜在層への認知獲得はアフィリエイトやギフティングで行い、購入意欲の高い顕在層にのみ広告を配信するなど、施策を使い分けることで、費用対効果の高いところに広告費用を集中させることができます。
以下は、実際の広告パフォーマンスのデータですが、認知施策としてアフィリエイトを実施した後は、広告のパフォーマンスが大きく改善しています。

5. CRM:顧客との関係を深め、LTVを向上させる
CRMは、LTVを最大化するための心臓部です。定期購入ではリピート購入率が高くなることでLTVが高まり、その分、新規獲得への投資を強化して成長速度を高めることができます。
CRMシナリオの例
- 単品購入から定期購入への誘導
- 単品購入からまとめ買い・セット購入への誘導
- お試しサンプルから定期購入への誘導
- 定期購入の継続促進
組み合わせをチューニングし増やす
5つの要素はバラバラに最適化してはいけません。LTV/CPAを高く維持しながら、新規顧客の獲得数を最大化できる施策の組み合わせを見つける事が重要です。しかも、一度作って終わりではありません。市場の変化に対応し、継続的に組み合わせをチューニングすることが不可欠です。
LTV/CPAが非常に高い「勝ちパターン」の組み合わせを見つけたとしても、いずれ市場が枯渇し、獲得効率が悪化してくる可能性があります。そのような状況に陥る前に、新しい市場を開拓する必要があります。新しい市場を開拓するためには、新しい「認知・広告・販売プラン・LP・CRM」の組み合わせが必要になります。

つまり、継続的に事業を成長させるためには、LTV/CPAが成り立つ施策の組み合わせパターンを、一つだけでなく、複数見つけ出し、増やし続ける必要があるのです。
まとめ
本記事では、Shopifyの単品リピート通販で継続的に事業を成長させるための「グロースモデル」について解説しました。
- 成功の鍵: LTV/CPAの高い「認知・広告・販売プラン・LP・CRM」の組み合わせを見つけ、広告で集客をしてもLTV/CPAを高く維持できるようにする。
- 継続的な改善: 一つの勝ちパターンに安住せず、常に新しい組み合わせをテストし、LTV/CPAの高い組み合わせパターンを増やし続ける必要がある。
このグロースモデルを自社で構築し、運用していくのは簡単ではないかもしれません。
「何から手をつければいいか分からない」
「社内に実行できる人材がいない」
もしそう感じられたなら、まずは専門家の知見を活用することをお勧めします。StoreHeroでは、Shopifyグロースのエキスパートが、あなたのストアの課題を無料で診断するサービスを提供しています。
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