Shopify×グロース成長フェーズ別の注力課題〜成長期〜

今回も、成長フェーズごとの注力課題とその対策の解説です。第1回目は、立ち上げ期について解説しましたが、2回目は、成長期についてです。

前回同様、成長フェーズを、立ち上げ期、成長期、拡大期として分けています。今回も前回同様、立ち上げ期のゴールが月商1000万円のこともあれば、1億円のこともあり、商材や市場規模により金額は異なりますので、ご自身の市場に合わせて解釈してご活用ください。

成長期は顧客数が増え、データ分析の精度が上がりますので、予実差異を、チャネル、商品、顧客、ページ・コンテンツで分解して問題を特定し、施策を実施し、改善を継続するサイクルを回して、拡大していくことがポイントになります。

成長期に重要になる課題のうち、今回解説するのは以下の3点です。

  • 売上が計算できるCRM運用を作る
  • 勝てる広告からの売上を最大化する
  • 紹介販売を加速する

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売上が計算できるCRM運用を作る

年商1億円ぐらいまでは、目の前の売上を確保するのに精一杯なことが多いと思いますが、1億円を超える頃には、顧客リストの数も一定蓄積しているはずです。

顧客リストが十分あれば、売上の20〜30%をCRM経由で安定して作れるようになります。CRMの売上は、広告やSNSの売上よりコントロールしやすいです。CRMの運用をしっかり作っておくことで、事業計画における不確定要素を減らすことができます。

運用の決め方は、各種メールの1通あたりの予測値を過去実績から算出し、メールの種類別に1ヶ月に何通送るかなどを決めます。そのルールをベースに、配信スケジュールに落とし込みます。

目標と実績に差異が発生した場合は、メールの種別(一斉メール、未購入者向けメール、購入者向けメールなど)、商品、顧客タイプ(新規・既存、性別など)に実績を確認して原因を特定し、打ち手を検討します。

以下は、架空のアパレルストアのメール経由の売上を商品タイプ別に分解したグラフです。直近、メール経由で売上が落ちたと思っていたところ、ジャケットは売上が減少していますが、実は、パンツは増加していることが分かりました。ジャケットの訴求をしっかりしたにも関わらず売上が減少していたのであれば、ジャケットの訴求を見直すと良さそうです。

商品タイプで分解するだけでは問題が特定できない場合は、更に追加で顧客タイプ(新規・既存など)やランディングページを掛け合わせて分解することで、問題を特定しましょう。

施策を実施する際は、KlaviyoOmnisendDotdigitalなど、ShopifyのCRM専用アプリを活用するのが良いでしょう。Shopifyメールも低価格で基本的なことは実施できますが、UTMパラメータの設定がしづらく、計測に難があり、売上が計算できるCRMを実現するには、現状の機能では、不十分ではないかと思います。

Klaviyoの基本的な使い方の記事は以前も書いていますので、参考にしてみてください。

勝てる広告からの売上を最大化する

成長期には、立ち上げ期に見つけた収益が生める広告からの売上を最大化することにもフォーカスします。パフォーマンスが良い広告にも、伸び代が残っていることが多いので、しっかり最大化します。

Meta広告の場合、特定の訴求とLPの組み合わせで収益が出ている場合も、細かくブレイクダウンすると、特定のオーディエンスや配信面では思ったほど売上が出ていないということが良くあります。

例えば、Meta広告のフィードやストーリーズの枠では、収益パフォーマンスは良いが、リールや発見枠ではパフォーマンスが良くないといった場合です。そんなときは、リールや発見枠に合ったクリエイティブを見つけることで、当初に見つけた広告と訴求の組み合わせから更に収益を生み出せるようになります。

経験的にMeta広告の場合は、オーディエンス、配信面、シーズンなどの条件に合った広告クリエイティブやLP運用ができるようになれば、パフォーマンスを更に伸ばせることが多いです。

Google広告の場合も、収益を出している広告の検索語句、オーディエンス、配信面などを分析し、改善点を見つけ、入札、キーワード、オーディエンス、広告クリエイティブを最適化します。

Google広告やMeta広告は、状況に応じた運用が必要になります。適切な判断ができるよう、運用方法や考え方は、一般的な広告のロジックツリーをベースに、自社に適した内容にまとめておくことをおすすめします。

例えば、Google広告の流入数を増やすことが課題の場合、更に粒度の細かな課題に分解し、各課題について具体的な施策パターンを決めておきます。運用を続けるうちに、ロジックツリーは、自社ストアに最適化されていくでしょう。

成長期のフェーズから、CRM、広告ともに、運用が細かくなっていきます。運用が細かくなるにつれて、運用が特定の担当者の中でブラックボックス化していきがちです。運用に必要なデータ、検討項目、タスク、効果検証の結果を共有することで、チームメンバー間で連携し合えるようになります。

ちなみに、当社では、グロースプラットフォームのStoreHeroを使って、データ、議論、タスクなどを集約してグロースのプロジェクトに取り組んでいます。

紹介販売を加速する

立ち上げ期に、コアファンが構築できていれば、顧客が顧客を呼ぶ状態が作れているかもしれません。しかし、自然発生的な顧客紹介の売上は、売上の5%以下であることが多いでしょう。

ファン作り自体は意義が大きいですが、年商5億円を超えるために、ファンによる自然発生的な紹介売上以外に、インセンティブをつけて商品を販売してくれる人を増やすことも必要になります。

具体的にはアフィリエイト、リファーラルプログラム、アンバサダー、コラボ、小売店開拓などの施策です。アフィリエイターが多い業界、他のブランドやクリエイターとコラボしやすい商品など、業界や商品によってマッチする施策が異なります。

紹介販売の施策も、KPI管理をしっかり行い予実差に対して改善を実施していきます。販売者が足りないのか、販売者あたりの売上が足りないのかに応じて、打ち手を実施します。

例えば、アフィリエイトの場合は、掲載メディア数、売上が発生しているメディア(アクティブメディア)数、メディアあたりの売上も把握します。メディアの収益性が落ちている場合は、売上が落ちているメディアを確認し、改善施策をメディアに提案します。

インセンティブは発生する場合も、関係作りは重要です。アフィリエイターやアンバサダーに勉強会を行ったり、オフラインのイベントを行って関係作りに力を入れている事業者もいます。

Shopifyの場合、ShopifyアプリのGoaffproShopify Collabsを使えば、自社独自のアフィリエイトプログラムが構築でき、B2B Wholesale ClubShopify Plusの卸売チャネルを使えば、卸売の展開に必要な機能を実装することができます。

まとめ

成長期の注力課題3つとその対策について解説しました。「売上が計算できるCRM運用を作る」、「勝てる広告からの売上を最大化する」、「紹介販売を加速する」のいずれも成長期に大事なテーマです。しっかり取り組んで、次の成長フェーズである拡大期に進んでください。

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